「怒りたくて怒ってるわけじゃない」子どもを叱るたびに落ち込む人へ。学童支援員が試行錯誤しながら辿り着いた子どもとの関わり方【書評】

【漫画】本編を読む
子どもには穏やかに接したいと思っていても、危ないことをしたり、約束を守らなかったりするとつい強い口調になってしまう。怒ったあとで「もっと違う伝え方があったのでは」と落ち込むこともあるだろう。『怒りたくて怒ってるわけちゃうのになぁ 子どもも大人もしんどくない子育て』(きしもとたかひろ/KADOKAWA)は、学童の支援員として多くの小学生と関わってきた著者・きしもとたかひろ氏が、子どもへの声のかけ方のコツを教えてくれるコミックエッセイだ。
本書では、「忘れ物をした」「素直に謝れない」「決めたことをやらない」といった身近な場面を取り上げ、そんな時に大人がどんな言葉を選んで声を掛ければよいのかを紹介する。失敗を責める前に一緒に理由を考える。謝罪を無理に引き出すのではなく別の伝え方を探す。できていないことだけでなく、そこまでに「できたこと」にも目を向ける……。どれも特別な技術ではないが、余裕を失っている時ほど忘れてしまうようなことばかりではないだろうか。
印象的なのは、守ってほしいルールなどを伝える際に、一方的な「許可」や「命令」をするのではなく、一貫して子どもの思いを聞きながら「対話」になるよう心がけているところだ。
子育ての正解を並べた指南書ではなく、きしもと氏自身も迷い、失敗しながらよりよい関わり方を考えながら接しているところに親しみがわく。家庭はもちろん、保育園や学校など、子どもと接することの多い人は特に発見があるはずだ。
文=つぼ子
