新橋から京橋まで全長約2キロの緑の“街”(東京都都市整備局提供)

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 築地と日本橋の再開発と並んで見逃せないのが東京高速道路(KK線)の再生だ。新橋から京橋まで銀座を「コ」の字に囲むような自動車専用道路で、全長約2キロ。そのKK線が昨年4月に閉鎖され、“天空の遊歩道”として生まれ変わろうとしている。

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 KK線の再生計画は、日本橋の再開発とも関係している。

 日本橋川にフタをする形で造られた首都高速道路の日本橋区間が地下化されることで、都心環状ルートである新京橋連結路もそれに伴って整備される。新京橋連結路は八重洲線と都心環状線の築地川区間を結ぶルートだ。八重洲線の神田橋JCT-西銀座JCT間もKK線と同時に長期通行止めとなり、新京橋連結路の工事も進んでいる。

 東京都都市整備局都市づくり政策部まちづくり推進担当課長の榎戸慶一氏が言う。

「新しい都心環状線が整備されると、KK線の交通需要はかなり下がると考えられます。それを踏まえて検討した結果、歩行者中心の公共的な空間として生まれ変わらせることにより、ウォーカブルなまちづくりの推進や東京の新たな価値や魅力の創出に資するだろうということで、歩行者空間化としての整備が決まったのです。都の方針では、KK線の再生によって生まれる上部空間は、Tokyo Sky Corridor(東京スカイコリドー)と呼んでいます」

 ざっくりいえば、高速道路の一部が遊歩道に生まれ変わるわけだが、一般的な地表にある遊歩道とは一線を画す。とにかくスケールがデカいのだ。榎戸氏に具体的な中身を詳しく聞いた。

中央通りや数寄屋橋などは絶景の撮影ポイント

 まずはその高さと歩道の幅だ。

「KK線は、銀座ナインや銀座コリドー街の上を走っていました。連なったビルの上に道路がのっているイメージです。ビルは地上2階ですから地表からの高さは8.5メートル、幅員は最も狭いコリドー街の辺りで約12メートル、最も広い銀座インズの辺りは約33メートルです。この高さですから眺望は抜群です」

 これまでもKK線の上を歩くウオーキングイベントが開かれていた。そんなとき、参加者が「うわー、スゴイ」と決まって撮影するビューポイントがあるという。

「1つは数寄屋橋の辺りで晴海通りの先に築地まで見渡せます。もう1つは中央通りをまたぐ2カ所(博品館付近と東京スクエアガーデン)で、中央通りを真っすぐに一望できますから、抜け感がすばらしい。外堀通りをまたぐ2カ所(土橋付近と西銀座JCT付近)も人気です」

 今年4月に開催されたKK線を歩くイベント「Roof Park Fes&Walk2026」では、土橋付近で新幹線が歩行者の目の前を通過。大いに沸いたという。いずれのビューポイントも天気のいい日は混雑必至だろうが、東京スカイコリドーの自慢は高さと眺望だけではないという。

「整備にあたっては植栽やアートを導入して、大規模な緑のネットワークを生み出すのが計画のひとつです。米ニューヨークには廃線跡地を整備したハイライン(全長2.3キロの線形公園)がありますが、KK線の幅員は全体としてハイラインより広い。その広い幅員を活用して、歩行者通路だけでなく、にぎわい広場や滞留空間を確保する見込みです。にぎわい広場では、ワゴンカーやキッチンカーなどで物販や飲食なども行うことを検討しています。これだけのスペースですから、ベンチやシェード、トイレや手洗い場なども整備。これまでウオーキングイベントを行ってきましたが、今後は走ったり歩いたりするだけではないイベントの開催も見込まれています」

ビルの賃料収入で上部空間の維持管理運営を

 幅員が16メートルに満たないところは、銀座コリドー街がある辺りのみ。かなりの区間の幅員が16メートルを超えるから、大規模な緑のネットワークに沿うように、にぎわい空間が広く生み出されることになる。

 東京スカイコリドーは、遊歩道というより“街”に近いか。実際、KK線の都市計画では、道路としての位置づけでなく、有楽町、銀座、新橋周辺における主要な公共施設という位置づけだ。

「周辺には、再開発が予定されている京橋3丁目東地区があります。こうしたまちづくりと連携し、整備することも想定されています」

“天空の街”と隣接する街とのコラボは面白そうだ。高層の商業ビルが1棟オープンするより広がりがあっていい。

 KK線には4カ所の出入り口がある(現在は封鎖)。東京スカイコリドーの整備にあたってはこの4つに加え、数寄屋橋付近に1カ所を新たに設ける計画だという。車ならスーッと上れるスロープも、高さ8.5メートルとなると足腰が弱い人にはつらいかもしれない。そこで、階段やエレベーターなどが設置される見込みだ。

「現在計画している5カ所以外にも出入り口を設けられないかということは順次検討していきます」

 最後に整備主体について。KK線を運営している東京高速道路が今後の整備を担当し、開業後の運営も担うという。

「KK線がある土地は東京都の所有ですが、その上のビルと道路は東京高速道路株式会社が所有し、ビルのテナント収入で建物や道路の維持管理運営に充てる仕組みでした。東京スカイコリドーでも、その仕組みをそのまま引き継ぎ、ビルのテナント収入で建物と東京スカイコリドーの維持管理運営に充てるほか、スカイコリドーのオープンカフェなどの収益で施設のグレードアップにかかる費用やイベント開催にかかる費用などをカバーする仕組みになっています」

 話を聞くと、楽しさあふれる“天空の遊歩道”ができることは間違いなさそうだが、完成はいつなのか。

「全区間の整備が完了するのは2030年代から40年代となっていますが、一部区間については2030年ごろの早期開放を目指しています」

 いまから全区間の完了が待ち遠しい。