横浜高の織田翔希(C)日刊ゲンダイ

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■新旧「悪の帝国」の立ち位置

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 かつて「悪の帝国」と呼ばれたのはヤンキースだった。

 故ジョージ・スタインブレナー・オーナーのもと、豊富な資金力をバックにメジャーの有力選手をかき集め、1998年からワールドシリーズ3連覇を達成。同地区のライバル・レッドソックスのルッキーノ球団社長は2003年、獲得の内定をしていたキューバのホセ・コントレラスを札束で横取りしたヤンキースを「悪の帝国」とののしったのだ。

 しかし、いまや米球界で「悪の帝国」と言えばドジャースのこと。ケタ外れの資金力をバックに大谷翔平(32)、山本由伸(28)、佐々木朗希(24)らの日本人選手を筆頭にメジャーのトップクラスの選手をかき集め、今シーズンはヤンキース以来となるワールドシリーズ3連覇がかかっている。

 両球団の立ち位置を如実に物語ったのは24年のワールドシリーズ。4勝1敗でドジャースがヤンキースを圧倒。ドジャースに完膚なきまでにたたきのめされたヤンキースのキャッシュマンGMとブーン監督はシリーズ終了後、ニューヨークメディアにこっぴどくたたかれた。

 そんなヤンキースがいま、「悪の帝国」呼ばわりされるドジャースに対して水面下で逆襲をもくろんでいる。

 ターゲットは18日の夏の甲子園準々決勝の花巻東(岩手)戦で、自身のもつ甲子園最速記録に並ぶ156キロを二、六、七、八、九回に何度もマークし、123球で完封勝利を挙げた横浜(神奈川)の織田翔希(3年)だ。

 セ・リーグのスカウトが言う。

「織田に対しては、以前からドジャースが熱心でした。スカウトやフロント幹部が入れ代わり立ち代わり、投げる試合をチェック。親御さんにも会って、名刺まで渡しているそうです。ヤンキースはドジャースが本気で狙っている織田を獲得することによって、金の卵を手に入れてなおかつ、ドジャースにひと泡吹かせるつもりでしょう。織田を獲得すれば、今後のアマチュア選手に対する強烈なアピールにもなりますから」

■横浜高の大物OBともパイプが

 このスカウトに言わせると、「キーマンは実業家の南壮一郎さん」とか。

 南氏は04年から07年まで、楽天イーグルスの創業に参画、初年度からの黒字化に貢献した。09年にビズリーチを起業、現在はビジョナル株式会社の代表取締役社長。23年4月、ヤンキースに部分オーナーとして参画することが発表されている。

「南さんは横浜高の大物OBとパイプがある。ヤンキースはこのOBを通じたルートで織田に接近している可能性が高い」(同)というのだ。

 昨年3月27日のテレビ朝日系「報道ステーション」で、南氏はこんな発言をしている。

「いま、ヤンキースに日本人選手はいませんが、球団としてはいつでもウエルカムですし、日本に対するリスペクトが球団には深く刻み込まれています」

 そして同番組の中でヤンキースのマット・デイリー・プロスカウトディレクターはこうも言っている。

「ヤンキースではスカウトを日本に常駐させている。今後数年以内にドジャースのように、できれば3人の日本人選手を獲得し、日本野球との関係性を継続していきたい」

■5億円を超す大金

 織田はその「3人」のうちのひとりなのだろう。米メディア関係者がこう言った。

「ヤンキースは6月、織田の周辺に接触したともっぱらです。そこで5億円を超える大金に加えて、通訳を用意するなど細かいオファーを出したというウワサがある。織田に対してはそれだけ本腰を入れて獲得を狙っているのですよ」

 前出のテレ朝系の番組の中で、チームの指揮を執るヤンキースのブーン監督はこう言っている。

「最近はドジャースが日本人獲得に成功しているが、かつてはヤンキースも負けてなかった。今後はより一層、素晴らしい日本人選手がメジャーに挑戦すると思うので獲得したい」

 ブーン監督が言うように、ヤンキースにはかつてワールドシリーズMVPを獲得した松井秀喜、7年間で78勝(46敗)をマークした田中将大(現巨人)、日米で野球殿堂入りしたイチロー、在籍した3年間で38勝(33敗)の黒田博樹……日本球界を代表する数々のスター選手が在籍した。いまはドジャースに好き勝手やられているが、逆襲の手始めに織田を獲得しようというヤンキースのもくろみは奏功するか。

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 そんな織田について、NPBでは、「野手出身スカウト」と「投手出身スカウト」で評価が真っ二つに分かれているようだ。●関連記事 【もっと読む】夏の甲子園投手 プロ注目の4人をスカウト「ガチ評価」 では、それらについて詳しく報じている。