自民党の公式サイトより

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「福岡はええかげんにして」と高市早苗首相も周囲に漏らしているといわれる福岡県議会のゴタゴタ。福岡県議会の元議長・吉松源昭県議が自民党県議団幹部から議長就任などにからみ約2000万円要求されたと告発したことに端を発する問題だ。吉松県議は金銭要求を「カツアゲ」と表現したが、その悪しき政治風土の元凶は福岡県議会の“ドン”蔵内勇夫議長だと名指しされている。

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福岡県といえば麻生太郎元首相の強固な地盤(福岡8区)だが、その麻生氏と福岡県内では双璧をなす存在が蔵内氏だといわれる。これまでの報道を見る限り、蔵内氏の金銭にまつわる疑惑はかなり酷いものだが、それは別にして、蔵内氏を追い詰めているのは麻生氏ではないかとの話がSNSでは流布している。

というのも、蔵内氏は現在の地位を築くまでに麻生氏とは対決も合従連衡もあって、“挫折”と“紆(う)余曲折”があった。福岡県でこれまで行われた国政選挙や地方選を回顧すると、その2人の愛憎劇が見えてくる。

蔵内氏は一介の県議会議員だが、当選10回で自民党福岡県連会長を歴任し、県議会議長を務める大物。2011年の福岡県知事選では先に出馬表明したものの、麻生氏は経済産業省の官僚だった小川洋氏を強引に党公認に据え、蔵内氏を出馬取りやめに追い込んだ。

2016年の衆院福岡6区の補欠選では、蔵内氏の息子である蔵内謙氏が県連推薦候補として出馬した。息子を国会議員にという悲願だが、結果は惨敗だった。小川知事が蔵内謙氏の応援にほとんど入らなかったことを理由に挙げる人もいる。しかし、その頃、小川知事は恩人であるはずの麻生氏の意見を聞かなくなっていたとされ、いつしか蔵内氏と麻生氏の共通の敵になっていた。

2019年の福岡県知事選、麻生・蔵内連合は小川知事を引きずり下ろすため、元厚生労働省官僚の武内和久氏を刺客として擁立したものの敗北し、小川知事が3選を果たした。

2021年、小川知事が病気を理由に辞職し、それに伴う県知事選では、蔵内氏と武田良太元総務相が服部誠太郎副知事を擁立した。福岡選出(福智町)の武田氏は二階派であり、麻生氏とは「犬猿の仲」といわれる。

2023年2月の北九州市長選、蔵内氏率いる自民党県連は与野党相乗り候補として、津森洋介氏を推薦した。ところが麻生氏は党本部への推薦文書への署名を拒否。そして、武内氏を単独で支援して大激戦の末に勝利させた。これは、蔵内氏が推した候補を麻生氏が公然とつぶした形になった。

面子をつぶされた蔵内氏も黙ってはいない。2025年4月、異例の議長再登板を強行した。1度目の議長職は2001年から2002年だったので20年以上を経ての再登板だ。その直後、自民党県議団が41人で新会派を結成した際、唯一排除されたのが中村香月県議で、麻生氏にもっとも近い人物である。そして、やはり麻生氏に近いといわれた吉松県議の自民党県議団復帰も認められなかった。

7月の吉松県議の告発に対し、福岡県議会における水面下の報復合戦の続きと見る向きがあるのはこうした流れがあるからだ。

さて、3月、旧二階派に所属していた議員らが集まり、武田氏を中心とした政策研究会を立ち上げることで一致した。武田氏が麻生氏に対抗意識を燃やしているのは明らかで、「麻生vs.武田」の因縁の対決が再燃と見られている。

武田氏の動きも目が離せないが、まずは「麻生vs.蔵内」が表面化した福岡県議会のゴタゴタはどう収束するのか注目だ。

文/横山渉 内外タイムス