「住宅ローンは諸悪の根源」経済思想家・斎藤幸平がバッサリ。タワマン購入者も“真の負け組”と語るワケ
◆脱成長は「働かなくていい」ではない
斎藤 SPA!の読者が私の話に興味ありますかね? 扶桑社はフジサンケイグループで右寄りだし、「反社」、反社会主義ではないのですか。
斎藤 実は私、擦り減ってる感覚がわからないんですよ。
――あれほど多忙なのに?
斎藤 自分でやりたくてやってますから。多忙でも資本主義社会で消耗しているとは必ずしも言えないわけ。
――斎藤さんといえば「脱成長」(※)を唱えられていますが。
斎藤 「脱成長なのに働きすぎだ」とよく茶化されますが、脱成長も社会主義も「働かなくていい」という主張ではありません。資本主義の歯車に巻き込まれず、自分の大切なことに時間を使える社会を目指すものです。やりたいことが多ければ忙しくもなる。逆に、無限の資本増殖のため、意義を見いだせない仕事に人生を費やす今の社会こそ、おかしいとは思いませんか。
――では、ReHacQの高橋プロデューサー(※)からの急な出演オファーにも、意欲的に臨んでいると。
斎藤 まあいつも、そこまで意識高いわけでもないですが(笑)。とはいえ、ReHacQは立場の違う論客とか視聴者と対話する貴重な機会なので大切にしてます。今はリベラルや左派が嫌われているから、立場の違う人々にリーチして主張を届けないと、ますます弱体化していくから。この間は読売テレビの「そこまで言って委員会NP」(※)に出演しましたけど、そういう場には積極的に出るようにしてます。だって、今は本を書いたって誰も読まないので。社会主義を世に広めるのは大変なんですよ。
◆「テクノ資本主義」の独裁はすでに目の前
――それでも、斎藤さんの『人新世の「資本論」』は約50万部超のベストセラーです。
斎藤 発売された’20年はコロナ禍で読書する人が多く、エッセンシャルワーカーやSDGsへの関心も高かった。脱成長が時代に響いたのでしょう。でも今はYouTubeすら長く感じ、ショート動画やTikTokを眺め続ける人もいる。GoogleやAppleのようなデジタルプラットフォーマーには、理想的な社会でしょうね。
