購入後でも進化する? レクサスNXが変わった!? 乗り心地を高める「Refine」とは オーナーが体験すると?
購入後のNXを進化させる新サービス「Refine」とは
自動車メーカー各社は、クルマを販売した後の価値向上に注力し始めています。
これまで最新技術を体験するには車両の買い替えが必要でしたが、近年はアップデートにより、保有中の愛車を最新の状態へと近づけることが可能になりつつあります。
今回はレクサスの「NX Performance Upgrade Refine」について、その概要と、筆者が実際に試乗して感じた印象を交えて解説していきます。
クルマのあり方は変化しており、購入して終わりという従来の形から、所有している間も価値を維持・向上させる形へと移行しつつあります。
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これまで、新しい乗り味を体験するためには最新モデルへ買い替えるのが一般的でした。しかし、クルマが走り続ける期間はおよそ20年とも言われており、メーカーがクルマの一生に責任を持ち、ユーザーに寄り添うという考え方が広まっています。
ソフトウェアの更新によって車両の機能を向上させる考え方が浸透する中、ハードウェアの面でも車両をアップデートするサービスが展開されています。
購入時の性能が頂点であり、その後は経年とともに価値が低下していくという従来の図式は変わりつつあります。ユーザーの声や蓄積されたノウハウをもとに開発された部品を後付けすることで、数年前に購入したクルマであっても、走りの質を高められるようになっています。
トヨタ・レクサス・GRは、購入後の車両を進化させる取り組みとして「UPGRADE FACTORY」を展開。このサービスは、従来はKINTOから提供されていましたが、現在ではトヨタ・レクサス・GRのサービスとなっています。
トヨタ・レクサス・GRの対象車に提供されるメニューは、内外装のリフレッシュを行う「リフォーム」、基本性能を向上させる「アップグレード」、ドライバーの特性に合わせてソフトウェアなどを最適化する「パーソナライズ」の3領域です。
そのなかでレクサスでは過去にも「IS」や「LC」向けに、走りを磨き上げるアップグレード部品を提供してきた実績があります。アイテム数や対象車種、取扱店舗数は順次拡大されており、全国の店舗でサービスを受けられる体制の構築が進められています。
例えばNXでは、これまで夜間の後方視認性を向上させる機能として「デジタルインナーミラー 視認性アップグレード」や「おくだけ充電(Gen5)」、内外装を変更する「インテリアカラーカスタマイズ」や「後付け“F SPORT”専用オレンジブレーキキャリパー(フロントLEXUSロゴ)」が設定されていました。

今回新たに設定された「NX Performance Upgrade Refine」は、現行型NXを対象としたアップグレードパッケージで、ユーザーからのヒアリングを踏まえ、乗り心地と静粛性の向上に特化した内容となっています。
このサービスの特徴は、単なる個別パーツの販売にとどまらず、複数の技術を組み合わせて「レクサスの目指す理想の乗り味」としてパッケージ化している点です。
ユーザーは専門的な部品の組み合わせを気にすることなく、パッケージを選択するだけで、車両の直進安定性やコンフォート性を高めることが可能。パッケージの価格は15万8400円(消費税・工賃込み)で、発売は2026年8月19日となっています。
では具体的にどのようなアイテムが盛り込まれているのでしょうか。
えぇ! これも? 安すぎじゃない? 「Refine」の中身とは
「NX Performance Upgrade Refine」には、複数の車種開発で培われた知見に基づく以下のアイテムが含まれており、これらを組み合わせることで車両の性能を調整しています。
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<乗り心地>
操舵の応答性と正確性、直進性 ステアリング手応えUP、フラット感路面入力低減を目的としたアイテムを付与。
除電(アルミテープ):フロントバンパーアブソーバー、リアサイドガラス、リアショックアブソーバーに除電アルミテープを貼り付けます。
除電(不織布):リアフェンダー後方に不織布の除電材を配置します。
士別フィン:アンダーカバーにフィンを追加し、直進性や静粛性の向上を図ります。
リアブレース(ヘンケル塗布):リアのブレースブラケットに制振材を塗布します。
ばねウレタンチューブ:フロントおよびリアのサスペンションスプリングにウレタンチューブを装着し、減衰を調整します。
リアトーイン減:リアのトーイン設定を標準の4mmから0mmへ変更します。
<静粛性>
ダンプシート:フロントドア、リアドア、リアラゲージにダンプシート(制振材)を配置します。
吸音トノカバー:トノカバーを厚みのある吸音タイプに交換し、車内へのノイズ侵入を抑えます。
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このような特徴がある今回のRefine。実際に試乗するとどのような印象なのでしょうか。
筆者は普段、2021年式のNX450h+ F SPORT(プラグインハイブリッド車/AWD)に乗っています。走行距離はおよそ9万kmに達しており、日々の使用によって車体には相応のヨレやこなれ感といった変化が出始めている状態です。
今回試乗したのは、新たに「Refine」の施工を受けた2023年式のNX350 F SPORT(2.4Lターボ車/AWD)です。普段乗っているプラグインハイブリッド車とはパワートレイン/車重/走行距離は異なりますが、同じNXという車種において動的な性能がどのように変わるのかを確認しました。
まずクルマを動かし始めた乗り出しの段階から、市街地でのストップアンドゴーが続く中低速度域にかけて、加速フィーリングが滑らかになっていることを実感。
中低速度からさらにアクセルを踏み込む際のエンジンサウンドも、以前より静かに抑えられている印象でこのあたりは静粛性向上のアイテムの効果が出ているのかもしれません。
住宅地の交差点や狭い路地などでステアリングを切り込んだ際も、初期の反応が素直になっており、ふとした場面での操舵が入りやすいと感じられます。
また、街中での段差を通過するような路面からの衝撃も滑らかに処理されるようになっており、過去にNX350へ試乗した経験と比較しても、日常的な走行時に発生しやすい雑味が消えている印象を受けます。
さらに、首都高速道路を走行中のカーブにおいても、一定の速度が乗った状態でしっかりと曲がっていく安定感が確認できました。
クルマとしての仕上がりは整っていると感じられますが、これが走行距離3万6000kmという個体の状態によるものなのか、サスペンションへのウレタンチューブ追加やアルミの除電テープといった「Refine」の施工効果によるものなのか、判断が難しい側面もあります。
それでも、車両全体の動的な質感が調整されていることは確かです。
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今回の「Refine」は、果たして施工するべきなのでしょうか。結論から言えば、筆者のように初期モデルを所有し、走行距離が10万キロを目前に控えているような状況で、「いまの愛車にまだまだ乗り続けたい」と考えているユーザーにとって、非常に現実的な選択肢になると言えます。
長年の走行によって生じる車体のヨレや乗り味の変化に対し、サスペンション周辺の減衰調整や効果的な除電アイテムなどを組み合わせることで、車両全体の動的な質感を再び引き上げることが可能です。車両を最新モデルへと買い替えるコストと比較すれば、工賃込みで15万8400円という価格設定は、愛車のリフレッシュと性能維持を図るための適正な投資と考えられます。
クルマは購入して終わりではなく、メーカーが公式に提供するアップデートによって、長く良好な状態を保つことができる時代へと変わりつつあります。愛車にこれからもより長く、そして心地よく付き合っていきたいと考えるオーナーであれば、十分に検討する価値のあるサービスと言えそうです。

