5回無死、左前安打を放つ敦賀気比・川原(カメラ・朝田 秀司)

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◆第108回全国高校野球選手権大会第11日 ▽3回戦 ▽智弁和歌山7―3敦賀気比=延長11回タイブレーク=(15日・甲子園)

 スポーツ報知では、今夏も球児たちの戦いのサイドストーリーを「熱闘ウラ」と題してお届けします。

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 ハンデを乗り越えて躍動する息子を、家族は最後まで見守った。敦賀気比の川原成翔(せいしょう)内野手は小学5年生ごろに突発性難聴を発症。私生活では補聴器を使用し、グラウンドでは外してプレーを続けてきた。突然の発症に母・静香さん(46)は「信じられない。もうちょっと早く気付いてあげられたら」と後悔したこともあったという。

 しかし、川原本人は座右の銘「人生楽しんだもん勝ち」のとおりに野球に没頭。強豪でスタメンを張るまでになった。父・翼さん(46)は「本人に助けられた。逆に勇気づけられた」と振り返る。息子は憧れだった甲子園で初戦を突破。この日は「6番・一塁」で出場。2戦続けて安打を放ち、先取点となるホームも踏んだ。静香さんは「私たちが知らない努力もいっぱいあったと思う。すごい頑張ったなって。本当に立派」と優しい目を向けた。

 延長11回の末に敗退となったが、聖地は割れんばかりの拍手に包まれた。高校野球を終えて、川原は言った。「今まで聞いたことがないぐらい『ワーッ!』と聞こえました。本当に心の底から楽しかった。人生の財産」。大学でも野球は続ける。忘れられない歓声が、今後の野球人生の支えになる。(今井 隆太郎)