将棋の早指し団体戦「JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026」準決勝第1試合、TDIルシーグ横浜 対 中国・四国ナヴィセトスの対戦が8月15日に行われ、第1ステージの全5局を終えた時点で中国・四国がスコア4-1と圧倒的なリードを奪った。

【映像】横浜VS中国・四国 運命の準決勝

 注目の第1局は、横浜の森内俊之九段(55)と中国・四国の吉池隆真四段(21)が激突した。これまでの予選で吉池四段が先陣を切るケースが多かったことから、森内九段は“吉池狙い”で作戦面からゲームプラン通りに進行する。吉池四段が41秒、森内九段が0秒の入札で吉池四段が先手番を獲得したものの、対局は後手ペースで進行。持ち時間が互いに1分を切る終盤戦で吉池四段が強靭な粘りを見せたが、最後は森内九段が176手の大熱戦を逃げ切り、横浜に貴重な先制点をもたらした。

 しかし、中国・四国の反撃はここからだった。第2局では阿久津主税八段(44)に対し、増田康宏八段(28)が3秒の入札(阿久津八段は0秒)で先手番をもぎ取ると、序盤から自ら注文をつけて角換わりに誘導。勝負手を繰り出す阿久津八段を鋭く寄せ切り、81手で星を五分に戻す。

 続く第3局は、斎藤明日斗六段(28)と菅井竜也八段(34)の一戦。菅井八段が33秒(斎藤六段は26秒)を提示して先手番を握り、向かい飛車から長い序盤戦へ突入した。斎藤六段も十分な駒組を見せたが、仕掛けの段階で誤算があったか、中盤以降は時間を減らさずに圧倒した菅井八段が95手で快勝。対局中、菅井八段は“心拍王”の異名をとる斎藤六段を上回る165bpmをマークし、盤上の白熱ぶりは両チームの控え室の熱狂をさらに加速させた。

 勢いに乗る中国・四国は、第4局で伊藤匠二冠(叡王、王座、23)と糸谷哲郎九段(37)の黄金カードを迎える。糸谷九段は49秒を投じて先手番を獲得(伊藤二冠は0秒)。伊藤二冠の仕掛けに対して糸谷九段が巧みに対応し、駒得を果たしてからは完全にペースを掌握した。一手勝ちのルートをキープしながら、最後は鮮やかな即詰みに討ち取るという“糸谷ワールド”全開の戦いぶりに、控え室のメンバーも驚嘆の声を上げた。113手で難敵を打ち破り、チームに大きな3勝目をもたらした。

 さらに第5局は、岩村凛太朗四段(20)が1分20秒という強気な入札で先手番を獲得(藤本渚七段は51秒)。矢倉の出だしとなったが、藤本七段が終始丁寧な指し回しでリードを拡大していく。一瞬の隙を突かれて押し込まれた岩村四段は苦しい展開を強いられ、藤本七段が若手エースとしての高い技術を見せつけて140手で勝利を収めた。

 この結果、第1局以降は中国・四国ナヴィセトスが怒涛の4連勝を飾り、スコア4-1と一気に突き放した。このまま“無敵艦隊”が圧倒的な力を見せつけて決勝へと駒を進めるのか、それとも横浜が意地の猛追を見せるのか、続く第2ステージの激闘からも目が離せない。

◆JEMTCスペシャルABEMA地域トーナメント2026 超早指しの『ABEMAトーナメント』と『地域対抗戦』が融合した新シリーズ。全国を6つの地域ブロックに分け、全8チームによって競う団体戦。各チームは監督1名とドラフト会議で指名された棋士4名の計5名で構成される。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出。試合は5本先取の9本勝負で、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。今大会より「先手番入札制度」を採用。対局開始前に持ち時間を「競り」にかけ、提示した時間がそのまま対局時の持ち時間からマイナスされる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)