阪神・佐藤輝明 田淵幸一に並ぶ虎最速入団6年目150号 球界屈指の骨格筋量とストレッチで描く放物線
◇セ・リーグ 阪神5─1巨人(2026年8月12日 東京ドーム)
阪神・佐藤輝明内野手(27)が、12日の巨人戦(東京ドーム)で2本塁打を放ち、通算150号本塁打を達成した。3回1死で右翼へ25号ソロ、7回先頭で右中間へ26号ソロ。入団6年目での到達は、田淵幸一(本紙評論家)に並ぶ球団最速記録となった。主砲の2発3打点の躍動でチームは首位攻防戦に連勝し、2ゲーム差に拡大。最短15日の優勝マジック「33」点灯へ、着々と歩を進めている。
節目の一撃は、打った瞬間――だった。力感のないスイングから放たれた弾丸は、オレンジに染まる右中間スタンドへ着弾。左翼からの黄色い大歓声に背中を押され、佐藤輝は悠然とダイヤモンドを一周した。5度目となる森下との2者連続弾だった3回1死の25号ソロと合わせ、通算150号本塁打を達成。入団6年目の到達は球団最速タイ記録で、記念ボードを誇らしげに掲げ、360度から拍手喝采を浴びた。
「ファンの人たちに感謝を伝えたい。常に応援してくれたので、そういう(打つ)姿を見せられて良かった」
バットを軽く振っても、果てしなく白球が飛ぶ。前日11日の驚がくの146メートル弾に象徴されるように、今季は確信の一発が多い。豪快な打棒を支えているのが、鋼の筋肉だ。100キロ近い佐藤輝の体には、50キロを超える「骨格筋量」が内蔵されている。内臓や心臓も含む、体全体の筋肉の重さ(=筋肉量)とは異なり「骨格筋量」は自分の意思で動かせる筋肉の重さをいう。佐藤輝が近大時代から師事する高島茂誉トレーナーは、元大関の名を引き合いに出し、愛弟子の凄さを証言する。
「貴景勝関のデータを見たことがありますが、体重170キロ近くて骨格筋量が58〜59キロ。100キロの輝明が50キロもあるって、とんでもないことなんです」
50キロ超は球界でも屈指だという。動かせる筋肉が多いと、“マン振り”せずとも最大限のパワーを発揮できる。ただそれも、本人の努力があってこそだ。
“宝の持ち腐れ”とならないのは、継続的な筋力トレに加え、入念なストレッチによるところが大きい。試合前練習では長い時間体をほぐし、故障予防。フリー打撃やノックの時間も調整し、疲労が蓄積しないよう気を配る。夏は日差しの強い甲子園を本拠地とする背番号8にとって、空調が効いた東京ドームは天国だろう。軽快に動くそのボディーから、豪快な放物線を連発した。
「(広い甲子園に)苦しめられることも多いですけど、ここまで来られて良かった」
初回1死一、二塁の左前適時打で今季15度目の勝利打点も刻んだ。同3度目の1試合2発を含む貫禄の猛打賞&3打点で、チームの貯金は今季最多の13。最短15日の優勝マジック点灯へ、猛虎も主砲も、いよいよ止まらなくなってきた。 (八木 勇磨)
○…佐藤輝(神)が3回のソロでシーズン25号に到達。目下リーグトップ28本塁打の森下に続くもので、阪神にシーズン25本塁打が2人は、10年のブラゼル47本と城島健司28本以来16年ぶり。生え抜き選手同士は85年の掛布雅之40本と岡田彰布35本(移籍加入のバース54本と真弓明信34本の計4人)以来41年ぶりになる。
○…7回には26号ソロで通算150本塁打も達成。プロ野球183人目で、阪神在籍中の達成は25年の大山以来14人目。プロ6年目は阪神生え抜き選手では74年の田淵幸一に並ぶ最速記録。27歳4カ月は80年掛布の25歳1カ月に続くチーム2番目の年少記録になった。

