洋服、食器、家電…、「いつか使うから」と親が残しておいたものが、気づけば実家の棚いっぱいにつめ込まれていませんか。その「いつか」は一生こないかもしれません。ここでは断捨離(R)の提唱者・やましたひでこさんが、押し入れ・棚を片付ける「断捨離3ステップ」をご紹介します。

※ この記事は『モノが減ると不安も減る 実家の断捨離』(大和書房刊)より一部抜粋、再構成の上作成しています。

【写真】玄関からつづく土間の「水屋」。裏方も美しくが断捨離のモットー

納戸・物置きに「ゴミ置き場」をつくっていないか

床にものがあると「障害物」になるといいますが、住空間にあるのは障害物だけではありません。たとえば、天井裏にものをためこんでいたら、それは「重石」になります。床下収納にものをためこんでいたら、それは「足かせ」になります。障害物、重石、足かせ…これらが身動きをとれなくしているのです。

天井裏や床下収納には「今すぐ使わないもの」を押しこんでいるはずです。着なくなった洋服、いただきものの食器、季節の飾りもの、通信販売の教材一式、使っていない家電…。これらは「いつか使おう」と口では言いながら、じつは「いつか捨てよう」と思っているものたち。天井裏や床下収納に収めたが最後、おそらく取り出す機会はないでしょう。こうして忘却グッズとなっていくのです。

納戸があるお宅もあるでしょう。「いらないものを納められるから便利」と思っていたら黄信号。だって、「いらないもの」はいらないのですから。

●いらないものを手放して新しいものに出合う

とかく収納の多い家は好まれますが、収納されているものが「いらないもの」だったら? それは家の中にゴミ置き場をつくっているということ。

不要なものをもち続ける限り、本当に必要なものは入ってきません。これはものだけでなく人生にも言えること。手放してこそ、新しいチャンス、新しい出合いは訪れるのです。

来客用布団は「泊まりに来る予定」がないなら手放す

納戸や天井から出てくる「あるある」の代物は、お客様用の布団。ここ数年でお客様が泊まりに来たことはありますか。もし来客が一般的でないのなら、きっとこれからもないでしょう。

冠婚葬祭の形も昔とは変わってきました。お客様が来たときは、夜はお帰りになっていただくか、貸布団での対応も視野に。そもそもお客様に到底お出しできないほど、その布団はすっかり古くなり、カビ・ダニの温床になっていることも。

押し入れは「いったん押しこめたら二度と出てこない」

母の家の断捨離で最も大量に出てきたのがトイレットペーパーです。その数、20袋。

1970年代のオイルショック時、店頭からトイレットペーパーが消えたトラウマがあるのでしょう。母はスーパーに行くたびにトイレットペーパーを両手につかんで帰ってきます。「遺品はトイレットペーパーになるな」と思ったほど、あらゆる収納から顔を出しました。

戦中・戦後・オイルショックなど社会的要因による不足感…こうしたトラウマが引き金になる「ためこみ」は頻繁に起こります。過去の残念な経験に焦点を当て、「今」が見えなくなっているのです。

今、そのものは必要か。今、暮らしは快適か。そこを見失うと、ひたすら購買行動に走るのです。

●忘れられた「日用品ストック」、じつはゴミです

ラップやアルミホイルなどの粗品が高い位置にある棚に積まれているお宅もよくあります。いらないものを高い棚に押し上げたら最後、放置され、忘れ去られますからね。「日用品=使うもの」というレッテルがはられているため、捨てる選択肢が思い浮かばないのです。

適正ストックという概念はありません。事実としては単なる買いだめをしているのですが、頭の中で「ストック」という都合のよい言葉に置き換えて放置しているのが実状です。

棚や押し入れの「断捨離」3ステップ

棚や押し入れは、そこに収めてしまえば、ともかく部屋は片付きます。ガラス扉の「見える収納」でないかぎり、扉を閉めれば「見えない収納」となるため、見ないふりをすることもたやすく、なかったことにできてしまいます。

こうして収めて殺した「死蔵品」とその空間を生き返らせるには、以下の手順で断捨離しましょう。

●1:全部出す

扉をあけ放ち、中身をすべて水平面に出して俯瞰します。

●2:絞りこむ

「要・適・快」つまり、「今の自分に必要なもの」を意識して絞りこみます。

●3:戻す

「とり出しやすく、しまいやすく、美しく」を念頭に、棚や押し入れに戻します。