タイ12歳少女「性的サービス強要」事件「私は騙されていた」50代経営者の呆れた言い訳

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まるで被害者

「本当に18歳以上だと思っていました。12歳と聞いて驚きました。私は騙されていたと思います」

東京・文京区の個室マッサージ店で、当時12歳のタイ国籍の少女に性的サービスを強要。児童福祉法違反などの罪に問われている店の経営者、細野正之被告(52・写真上)は7月17日、東京地裁で呆れた自己弁護を展開した。少女について聞かれても表情を一切変えず、淡々と話すのだった--。

起訴状などによると昨年6月、少女は母親と観光目的の短期滞在ビザで来日。そのまま、件(くだん)のマッサージ店に連れて行かれた。細野被告は年齢確認もせずに客をつけて手淫などの性行為をさせたうえ、練習と称して自身にも手淫させたという。

「母親はその翌日に一人で日本を出国。残された少女は日本語が一切話せないにもかかわらず、マッサージ店に寝泊まりしながら約70人の相手をさせられたそうです。8月に他県の風俗店に移り、9月に東京出入国在留管理局に助けを求め、発覚。事件をめぐっては、少女の採用を担当した店の元マネージャーでタイ国籍のプンシリパンヤー・パカポーン被告(39)=同法違反罪で起訴=も逮捕されています」(全国紙社会部記者)

7月17日の公判で行われた弁護人からの被告人質問で、細野被告は″事件に巻き込まれた被害者である″かのような証言を繰り返して傍聴席を驚かせた。以下、細野被告が法廷で語った半生である。

細野被告は建設関係の仕事をしていた父と母、兄の4人で暮らしていたが、両親と兄が次々と他界したことでうつ病になり、体調を崩した。知人から「血流をよくすれば治る」と聞いて、タイ式マッサージ店に通うようになるなか、タイ国籍の施術師から「一緒にお店をやらないか」と誘われ、さらに「知人を紹介するから結婚したらどうか」と持ち掛けられた。この過程で、300万〜400万円を施術師に騙し取られたという。

そんなとき、知人だったパカポーン被告から「私が結婚してあげるからお店をやろう」と提案され、一緒にマッサージ店を経営することになった。結婚こそしなかったが、その後、店をオープンした。

傍聴席から漏れた「ため息」

だが「最初は優しかったけど(パカポーン被告が)徐々に変わって、おカネを要求するようになった」と細野被告は言う。

「いま考えると(パカポーン被告に)私は騙されていたと思います。パカポーンと(少女の)母親は知り合いで少女を雇うことは事後報告だった。少女が12歳とは知りませんでした。(少女の)背中にはタトゥーが入っていて、売上金を盗んで毎晩飲み歩いていた」

「注意しても生返事でいい加減な人だったから、客からのクレームも多く(少女の)評価は最悪だった」とまで細野被告は言うのだった。自身に性的サービスをさせていたことについては、「マッサージが下手過ぎるとクレームがあり、テストをした」などと開き直る始末。売り上げを伸ばすために少女に性的サービスをさせていたが、店の経営が上向くことはなかったという。もちろん、これらはあくまで被告の一方的な発言にすぎない。最後に細野被告は改めて冒頭のように反論し、

「世間を騒がせて申し訳ない。私が(少女の年齢を)確認すればよかった」

と嘯(うそぶ)くと、法廷内は白けた空気に包まれ、傍聴席からはため息が漏れた。

すでにタイ・バンコクの刑事裁判所は、人身取引などの罪で母親に拘禁刑7年6ヵ月の実刑判決を言い渡している。今後の裁判の行方を、アトム法律事務所の松井浩一郎弁護士はこう見ている。

「少女を店舗内に住まわせて生活全般を管理し、長期間にわたり多数の客に対応させていたという実態があるなら、身分証確認などを行わなかったこと自体が、未必の故意(犯罪が起きるかもしれないと認識していながら、容認していた状態)を裏付ける証拠として重く評価される可能性があります。母親の関与がタイで公的に認定された以上、細野被告が展開する『自分も騙された』というストーリーにも、検察側から具体的な反証が示される可能性が高いといえます。次回以降の公判(検察側の被告人質問)では、年齢確認の有無や少女の言動に関する供述の信用性、そして母親、パカポーン被告との関係の実態解明が進むとみられます。これら未必の故意の有無と、経営者としての支配的立場がどこまで重く評価されるかで量刑は大きく変わります」

被害少女をおとしめてまで自己擁護に終始した細野被告の目に、傍聴席の反応はどう映ったのか--。

『FRIDAY』2026年8月21・28日合併号より