カラテカ・矢部太郎のマンガが実写映画化…絵本作家の父は作品を近所に配りまくって感想集めも

写真拡大

 大竹しのぶさんと三浦友和さんという日本を代表する名優2人が、来年全国公開される映画『ぼけ日和』(内田英治監督)でW主演を務めることが決定。原作は、カラテカ・矢部太郎さんが描いたヒット漫画『マンガ ぼけ日和』(かんき出版)です。

 大竹さんと三浦さんが演じるのは、認知症を患った妻と、それに寄り添う夫。さらに、2人を優しく見守る認知症専門医役として櫻井翔さんの出演も決定し、大きな注目を集めています。本作は認知症というテーマを過度に悲観するのではなく、どこまでも温かな愛とユーモアに包まれた夫婦の日々が、矢部さんならではの作風で描かれています。

 矢部さんといえば、デビュー作となった漫画『大家さんと僕』(新潮社)で社会現象を巻き起こしたことが記憶に新しいでしょう。自身と高齢の大家さんとの心温まる交流を描いたこの作品は、『第22回手塚治虫文化賞短編賞』を受賞。芸人初の快挙となり、シリーズ累計発行部数が120万部を突破する大ヒット作となりました。

 漫画『大家さんと僕』はアニメ化されましが、いまだ映画化はされていません。筆者は以前、『大家さんと僕』が、もし実写化されたら大家さん役と矢部さん役は誰にやって欲しいか、矢部さんに伺っています。

矢部「僕がやってみたいですけどね」

筆者「矢部さんが本人役で」

矢部「いえ、僕が大家さん役で」

筆者「矢部さんが大家さんを? その発想はなかったですね。でも『意地悪ばあさん』の青島幸男さんみたいなことですか」

矢部「そうです。あと、僕の役はイケメン俳優さんにやってほしいです(笑)」

 まさかの「自分が大家さんを演じ、自分の役はイケメン俳優にまかせる」という斬新な実写化構想には驚きました。

 矢部さんのお父さまは絵本作家・やべみつのりさんです。矢部さんは取材のなかでご家族とのエピソードも明かしてくれました。

矢部「ウチのお父さんは、なんでも描きたがるんですよ。僕が小学生のときに飼ってたネコが死んだんですけど、そのネコを『描きたい』って言いだしたんです。お父さんに『ネコを抱えて』って言われて……僕、死んだネコを抱かされましたから。できあがった絵を見たら、ネコだけでしたね(笑)」

筆者「息子がネコを抱いているところは編集でカット(笑)」

矢部「はい。けっこうウチのお父さんはヤバいんですよ(笑)」

 続けて矢部さんの本が大ヒットした際のお父さまの様子も語ってくれました。

矢部「僕の本をいっぱい買って近所の人に配ってくれて、みなさんからもらった感想を『○○さんはこう言ってくれたよ』みたいに、メールで送ってくれました。お笑いではそんなこと一度もなかったですけど(笑)」

『大家さんと僕』はアニメ化され『マンガ ぼけ日和』は実写映画化されました。かつて息子の漫画本を大量に買って近所に配ったお父さまも、今回の映画化の知らせを、きっと誰よりも喜んでいるのではないでしょうか。

 今回も、お父さまから、みなさんにもらった『感想メール』が、矢部さんの元に大量に届きそうですね。

インタビューマン山下

1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退しライターに転身。しかし2021年に芸人に復帰し現在は芸人、ライター、山下本気うどんプロデューサー、個人投資家、ファイナンシャルプランナーとして活動中。