年収「500万円」の会社員は、老後に年金をいくら受け取れる? 平均的な年収でも、受給額も平均程度とは限らないのでしょうか?
年収500万円なら年金受給額も平均程度になる?
国税庁長官官房企画課の「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は478万円です。年収500万円は平均をやや上回る水準ですが、それだけで老後に受け取る年金も平均程度になるとは限りません。
厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)の平均年金月額は15万289円です。この金額には老齢基礎年金も含まれています。
ただし、上記の平均額は、さまざまな年収や加入期間の人を含めて算出したものです。実際の年金額は、現役時代の収入だけでなく、厚生年金に加入していた期間や働き方などによって決まります。
そのため、平均給与に近い年収であっても、平均額と同程度の年金を受け取るとは限らず、人によって受給額は大きく異なる場合があります。
年金額は「年収」だけでは決まらない
会社員が受け取る年金は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2つで構成されています。日本年金機構によると、老齢厚生年金は老齢基礎年金を受け取る資格があり、厚生年金の加入期間がある人に上乗せして支給されます。原則として65歳から受給できます。
老齢基礎年金は、保険料を納めた期間などに応じて決まります。一方、老齢厚生年金は、厚生年金に加入していたときの報酬額や加入期間などによって計算されます。
そのため、同じ年収500万円でも次のようなケースでは受給額に差が生じます。
つまり、「今の年収が500万円」という情報だけでは、老後の年金額を正確に判断することはできません。
年収500万円の会社員の年金額は加入期間や働き方でどう変わる?
年収500万円の会社員が将来受け取る年金額は、加入期間や昇給の状況などによって異なるため、一律にはいえません。
ただし、大学卒業後から定年まで長期間にわたって厚生年金に加入し、加入期間中の年収がおおむね500万円前後だった場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた受給額が、厚生年金受給者の平均に近い水準となる可能性があります。
一方で、転職や離職などで厚生年金に加入していない期間があったり、年収500万円になったのが50代以降だったりする場合は、受給額が平均を下回るケースも少なくありません。
反対に、年収500万円を上回る期間が長く続いた人では、平均を上回る受給額となることもあります。
このように、「年収500万円」という現在の年収だけで将来の年金額を判断することはできません。自分がどれくらい受け取れるのかを知るには、実際の加入記録を基に確認することが重要です。
正確な受給見込みは「ねんきんネット」などで確認しよう
将来受け取れる年金額を知りたい場合は、日本年金機構の「ねんきんネット」を利用するのがおすすめです。
ねんきんネットでは、これまでの加入記録や保険料の納付状況を確認できるほか、現在の加入状況を基に将来の年金見込額も確認できます。
また、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」でも加入記録や見込額を確認できます。将来の生活設計を考えるうえでも、一度内容を確認しておくと安心です。
年収500万円は平均給与をやや上回る水準ですが、年金額は年収だけでは決まりません。厚生年金の加入期間や働き方など、さまざまな要素が影響します。
平均年金額は参考になりますが、自分の受給額とは異なる可能性があります。老後の資金計画を立てるためにも、ねんきんネットやねんきん定期便などを活用し、自分の年金見込額を早めに確認しておくことが大切です。
出典
国税庁長官官房企画課 令和6年分民間給与実態統計調査 -調査結果報告- II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与(15ページ)
厚生労働省年金局 令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 (参考資料3)厚生年金保険(第1号) 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数(26ページ)
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

