「ミシガンのマムダニ」が民主党上院予備選に勝利 「急進左派では本選で勝てない」という常識を覆すか
【トランプ2.0 現地リポート】
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全米が注目したミシガン州の民主党上院予備選は、急進左派のアブドゥル・エルサイード候補(41)が、わずか1ポイント差で中道主流派のヘイリー・スティーブンス候補(43)を破った。この勝利は、11月の中間選挙に向けて、分裂する民主党の今後を左右する試金石だ。
全米の民主党予備選では、急進左派や民主社会主義者の躍進が話題になっている。ニューヨーク州でも3人が主流派を下した。
もともと左派が強いニューヨークでは、本選でも勝てる可能性が高い。しかしミシガンは激戦州だ。2024年大統領選ではトランプ氏が勝利した。共和党の対立候補に勝つためには、反トランプの共和党支持者と無党派層を取り込む必要がある。これが従来の考え方だった。
そこで争点になったのが、「急進左派では本選で勝てない」という民主党内の常識だ。
エルサイード候補は、デトロイト市の公衆衛生局長も務めた医師だ。「ミシガンのマムダニ」と呼ばれ、バーニー・サンダース上院議員ら民主党左派の支持を得ている。政策では、公的医療保険をはじめ、誰もが安心して暮らせる国を取り戻すという経済ポピュリストだ。
共和党はエルサイード候補の名前を強調、イスラム嫌悪あおる動画でも攻撃
本選で懸念されるのは、イスラエルへの軍事支援停止を強く求める姿勢だ。
アメリカの長年のイスラエル支援を後押ししてきたのは、AIPAC(エイパック=アメリカ・イスラエル公共問題委員会)などの親イスラエル団体だ。ガザでの戦争後、イスラエル批判が強まる中、その巨額の選挙支援も民主党内の分断の要因になっている。
エルサイード候補は、AIPAC系団体からの対抗馬スティーブンス候補への巨額の支援を批判し、主要争点にした。これに対し、「反ユダヤ的」と非難されており、本選でも尾を引く可能性が高い。
その一方で共和党は、エルサイード候補の名前を強調し、イスラム嫌悪をあおる動画でも攻撃している。
しかし、「中道だから勝てる」という従来の発想が、もう時代遅れだとの声もある。トランプ氏も2016年の予備選では、過激すぎて本選では勝ちにくいとみられていた。ところが実際には、従来の予測が見落とした有権者を動員し、大統領になった。
必要なのは、人をエキサイトさせ投票所に向かわせる候補ではないか。その主張が正しかったか、答えは11月3日の本選に出る。
(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)
