「左手に包丁、右手にゴルフクラブ」コンビニに車で突っ込んだ男…火を放った自宅周辺での“評判”

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「通報しろよ!」

乗用車でコンビニに突っ込んだ後、左手に刃渡り15cmの包丁、右手にゴルフクラブを持った45歳の男は、こう怒鳴りながら店内を歩き回っていたという。

「7月20日の午前0時10分ごろ、相模原市中央区九沢のコンビニの店員から『店に車が突っ込んできて、運転していた男が包丁を持っている』と110番通報がありました。駆けつけた警察官がコンビニの駐車場で、包丁を持っている渋谷恭平容疑者(45)を発見。包丁を置くように説得しましたが、近づいてきたため、20代の巡査が空に向け威嚇発砲しました。渋谷容疑者はその後、取り押さえられ、銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕されています」(全国紙社会部記者)

事件当時、店内には店員1人と客2人がおり、車が突っ込んだ際に客の男子高校生(15)が腕などに軽傷を負ったという。

渋谷容疑者はこのコンビニの向かいのマンションに住んでいた。同じマンションに住む50代の男性は、事件のあった日のことをこう振り返った。

「夜中にパーンという音と怒声で目が覚めたんです。若者が騒いでるのかなと思って外を見ると、警察官2人が男に拳銃を向けながら『捨てろ』と言っているのが見えました。男は銀色の長いものを肩にかついでいて、日本刀だと思ったのですが報道を見るとゴルフクラブだったようです。そのうちパトカーが2台3台とやってきて、警察官がぞろぞろと集まってきたので、これはすぐに捕まるなと思いました」

しかし、この日はそれだけでは終わらなかった。渋谷容疑者は「自宅に火をつけた」と話したのだ。前出の50代の男性が続ける。

「夜中の2時ごろ、外から拡声器で『(マンションの部屋が)燃えてるから、すぐ出てください』と言われ、向かいのスーパーの駐車場で待機させられたんです。消防隊員は隣の部屋のベランダからパーテーションを破って、(渋谷容疑者の)部屋に入っていました。窓ガラスを破った瞬間、煙がブワーって出るのが見えましたよ。ただ、放水などはしていませんでした。

変だったのは、すべての部屋に火災報知器があって5月に点検があったばかりなのに、それが鳴らなかったんですよ」

実際、火事に気づかずに寝ていて、「翌日、ニュースで知った」と話す住人もいた。

事件当日の朝にあった“異変”

渋谷容疑者はどのような人物だったのだろうか。

同じマンションの住人に聞くと、「ここ1年くらいで引っ越してきた、おとなしそうな人」と、特別変わった印象はなかったという。だが、すぐ上の部屋に住む男性は「渋谷容疑者かどうかわからないんだけど……」と前置きをしながら、このような話をしてくれた。

「今年の1月か2月ごろ、真冬の夜に突然インターホンが鳴ったんです。どちらさんですかと聞いても名乗らない。そしていきなり『複数人でベランダに出て、ウチを覗いてるだろう?』って言ってきたんです。

『どういうことですか?』と聞いてもまともに答えない。一方的に『みんなで覗いて騒いでるのを知ってるんだぞ』と言うだけなんです。危ない人だなと思ってドアも開けませんでした。

そういえば、昨年の9月ごろにも、『騒音がうるさいと通報があったので、話を聞かせてくれ』と警察が来たことがあったんですが、あれも下の部屋(渋谷容疑者)だったのかもしれません」

事件のあった日の朝にも気になることがあったのだという。

「下から、ドンドンと天井を強く突くような音がしたんです。ちょうどキッチンのところなので、火災報知器を壊そうとしていたんじゃないかって思ったんです。火事のあった日、火災報知器が鳴っていなかったんですよ」

7月21日、渋谷容疑者の身柄が検察に送られた。朝8時ごろ、秦野署の護送口に姿を現した彼は、一瞬カメラを睨むような目つきをしたものの、すぐに顔を伏せ、まばたきを繰り返しながら護送車に乗り込んだ。

その様子からは、包丁やゴルフクラブで周りを威嚇するような狂暴性をうかがうことはできなかった。

渋谷容疑者はなぜ凶行に走ったのか。捜査が進めば明らかになるに違いない。

取材・文:中平良