“世界厨⼆病化計画”を掲げ、事務所無所属/完全セルフプロデュースで活動している“闇堕ち系おゆうぎバンド”・東京メルヘン倶楽部。

4月にZepp DiveCity(TOKYO)にて開催された“おゆうぎ会”(=ワンマンライブ)<漆黒のZepp>も大盛況で幕を下ろしたが、2人は同公演にてキングレコードにてメジャーデビューすることを発表。このたび、メジャー1stミニアルバム『MAJOR』を完成させた。

本作は、自分の芯を貫けと声高に叫ぶ「えんぴつ︕︕︕︕︕」をはじめ、中毒性抜群のキャッチーさを誇るポップナンバーから、おゆうぎ会の熱狂が眼に浮かぶアッパーチューンまで、東京メルヘン倶楽部の魅力を大凝縮した1枚。“OYUUGI担当”(=ファン)はもちろん、未体験のリスナーにも入りやすい親切設計になっている。

初インタビューとなる今回は、メジャーデビューを控えた今の心境から、東京メルヘン倶楽部結成時のエピソード、さらにはミラ(ボーカル)としずりん(ピアノ、コーラス)のパーソナルなことまで、じっくりと話を聞いた。

   ◆   ◆   ◆

──メジャーデビューミニアルバム『MAJOR』のリリースを控えた今の心境はいかがでしょうか。

ミラ:このあいだ、Mカードに収録される<漆黒のZepp>の映像チェックをしていたら、あのときのワクワク感とドキドキ感と緊張感が蘇ってきて。最終的には、スタッフの皆さんに支えてもらったり、お客様の歓声や笑顔やいろいろなものに救われたりしながらここまで来たんだなというのを改めて実感できて、これからも頑張ろうという気持ちになりました。……なんか締めの言葉みたいになってしまった(暗黒微笑)。

──(笑)。あの日は緊張もありつつ、感謝が大きかったと。

ミラ:はい。最終的にはそれが自信に繋がりましたし、その自信をエネルギーにして皆さんに発信できるかなと。

──<漆黒のZepp>を拝見させてもらっていたんですが、間違いなくあのライブは自信になりますよね。

ミラ:ちょっと変な表現かもしれないですけど、お客様一人ひとりをお米だと思っていて。一粒残さず美味しくいただきたいし、おゆうぎ会で集合するときはおにぎりみたいな。そこに僕らがいろんな具という名の曲? 曲という名の具?を入れて、みんなで美味しくいただこうみたいな……なんか今、変なこと言ったかも(暗黒微笑)。

しずりん:何味のおにぎり?

ミラ:ライブによって変えてる。

しずりん:ライブによって違うんだ? 楽しい!

ミラ:“また食べたい”と思ってもらえたらなって。皆様をつやつやに炊きあげたい気持ちですね。これは今お腹がすいているのかもしれない。

──(笑)。しずりんさん、メジャーデビューを控えている今の心境はいかがでしょう。

しずりん:東京メルヘン倶楽部は、ミラちゃんと2人でYouTubeに“ハム太郎”(「V系っぽいハム太郎」)を投稿したのが始まりだったんですけど、バンドで売れるぞ!と思って始めたわけではなかったですし、そもそも私は作詞作曲をするつもりもなかったんです。誰かに頼む予算がないから、じゃあ自分で作るかというのが始まりだったので。それがまさか自分がメジャーデビューして、CDを出すなんて!という気持ちでいっぱいですね。

──今日は始動時のことからお聞きできればと思っているんですが、お2人の出会いは、しずりんさんがミラさんにDMを送ったことがキッカケだったそうで。

しずりん:はい。ナンパしました。でも、最初は疑っていたんです。こんなに顔が良くて歌がうまいとか、そんなわけなくない?と思って。

ミラ:疑い深い。

しずりん:会ったら全然違う人が来るのかなと思いつつ、でも会ってみたいなと思ってDMして。実際に会ったら本物が来たので“本物だ!”って言いました(笑)。

──ミラさんはDMが来たときにどう思ったんです?

ミラ:同じ感じです。こんなに可愛くてピアノも弾けるんですね?って。元々ピアノの子と組んでみたいとは思っていたんですよ。元々やっていたバンドでは、ピアノは全部打ち込みだったので。あとは顔が可愛いから、興味本位でフォローバックをし(暗黒微笑)、DMを返し。最初は軽いノリでした。で、会ってみたら“ホントに存在してたんだ?”って。

──そこから音楽を一緒にやることになった経緯というと?

しずりん:最初会ったときは、ミラちゃんはバンドを組んでいたんです。私はピアノを弾いている中で、自分自身が歌うのは得意じゃないけど、やるなら歌モノのほうが楽しそうだなって常々思っていて。そしたらミラちゃんが“解散した”ということだったので、そのタイミングで何かやろうということになって、“ハム太郎”を投稿しました。

──何かやろうとなって、まず“ハム太郎”を投稿したことが謎ではあるんですが……(笑)。

ミラ:しずりんはハム太郎が大好きで。“ハム太郎”をひとりで弾いている動画も観させてもらっていたし、自分もハム太郎は分かるのでスムーズかなと。

──スタート時点では、東京メルヘン倶楽部としてこういうことをやっていこうというイメージやビジョンみたいなものはあまりなかったんですか?

しずりん:そうですね。“ハム太郎”の次に投稿したのが「いぬのおまわりさん(大人向け)」だったんですけど、そういう感じで、ミラちゃんのかっこいい歌に合わせて、みんなが知っている曲を闇堕ちさせたものをなんとなく続けてアップしていきました。

──その中で、曲を発注するお金がなかったから自分で作ったと。

しずりん:そうです(笑)。Xのフォロワーが1万人になったタイミングで何かやりたいなと思って作ったのが、「ありがとう10000のフォロワー」という曲で。それが生まれて初めて世に出した自分の曲でした。

──ミラさんは「ありがとう10000のフォロワー」を初めて聴いたときにどう思われました?

ミラ:曲調もメロディもめちゃくちゃかっこいいなと思って聴いていたら、歌詞が“おや?”っていう。そこは東京メルヘン倶楽部のいいところだなと思います。しずりんは自分にはない引き出しをたくさん持っているので、そこはすごく尊敬している部分もありつつ、混乱する部分もありつつ。

しずりん:ありがとう!

──混乱もあるんですね。

ミラ:ありますよ。でも、それは良さなので。予想のつかないところがおもしろいし、飽きない。たまにどう解釈するかでレコーディングに難航することもありますけどね。今回の『MAJOR』の中だと、「着ぐるみを脱がさないで」とか(暗黒微笑)。

──確かに(笑)。おゆうぎ会をすることになったときに、サポートとして“どうぶつさん”たちに声をかけたんですか?

しずりん:そうです。

ミラ:これまでバンドをいくつかやってきたんですけど、自分の中では東京メルヘン倶楽部を最後のバンドにしたいと思っているので、一番信頼できるメンバーを深淵の森から召喚しました。私は結構不思議な喋り方をするんですけど、彼らは同じ釜の飯食った仲というか、“ミラはこういうこと言いたいんだな”っていうニュアンスをわかってくれるので、すごく効率がいいというか……こういうのなんて言うんだっけ?

しずりん:意思疎通?

ミラ:そう! ありがとう。意思疎通しやすいです。

──しずりんさんとしては、そもそも曲を作ったことがなかったわけですし、誰かと曲を作ることにしても初めてだったと思うんですけど。

しずりん:完全に初めてです。私に関してはバンドも初めてですね。

──実際やってみていかがでした?

しずりん:最初は本当にピアノと歌だけだったんですけど、プードルちゃんがアレンジしてくれるとこんなにカッコよくなるんだ! 天才犬じゃん! 犬すごい!って思いました。

ミラ:作曲される方って、“ここはもっとこうして!”みたいなこだわりが強い方も多いと思うんですけど、しずりんはすごく寛容なんですよ。いいじゃんいいじゃん!みたいな。

しずりん:いつも自分で楽器をある程度打ち込んだものを渡しているんですけど、例えばここはヘドバンさせる感じとか、ここはコール&レスポンスをしたいとか、自分が譲れないポイントは最初に言うようにしていて。それ以外の部分はお任せしているので、私がグループLINEから目を離した隙に、ミラちゃんとプードルちゃんでやり取りが進んでいて、2人が相談した結果できたものを聴いたら“いいじゃん!”って思うから、オッケー! 了解!って返すことが多いです(笑)。

──曲調としては、それこそ闇堕ち的なゴシック系統のロックもあれば、バキバキのEDMもあるし、幅広いというかなんというか……。

ミラ:とっ散らかってますよね(暗黒微笑)。片付ける気もない。足の踏み場がない。

しずりん:情報量が多い。

──とにかくなんでもやろうと。

しずりん:そうですね。やっぱりおゆうぎ会ではいろんなことをしたいなと思ってます。

ミラ:結果的に老若男女の皆さんに好いていただいているのはその影響かなと思いますし、いろいろなジャンルの方々が聴いて楽しんでもらえるのが東京メルヘン倶楽部の魅力のひとつだと思っているので、そこはこれからも大事にしていきたいです。

──ミラさんとしずりんさんがどんな方なのかもお聞きしたいと思っていまして。お2人とも音大卒なんですよね。ミラさんは何を専攻されていたんですか?

ミラ:実はギター専攻で。始めたのは高校生だったかな。そこはちょっと曖昧なんですけど、ギターを持ってると妙にモテたんですよ。女子校だったんですけど。

しずりん:かっこいいからね。

ミラ:それきっかけで始めたんですけど、なかなか指が思うように動かない状態だったんです。でも、なぜ音大に通ったのかを後々先生に聞いたら……試験のときってギター1本で演奏するんですけど、自分の選んだ曲が、イントロの後にAメロで8小節ブレイクがあったんです。だからジャー!って弾いた後にブレイクしていたら、先生方がザワつき始めて。“え、終わった……の?”みたいになったらまた弾き始めたっていう。それが堂々としていておもしろかったから通ったらしくて。

──確かに“この子、肝が座ってるな”ってなりますね(笑)。

ミラ:今言われるとめちゃくちゃ恥ずかしいですけどね(暗黒照笑)。でもまぁ、ステージ上で堂々とするのは大事なことですし、“自分が一番上手いと思え”と先生方から口酸っぱく言われていたので、そこは今も活きているのかなと思います。

──ギターを始めるまでは、あまり音楽に触れてこなかったんですか?

ミラ:小さい頃にピアノを習ってました。お家に先生を呼んでレッスンを受ける感じだったんですけど、当時はどうしても好きになれなかったので押し入れに逃げたりしていて。“アイスあげるから出てきなさい”って、母におびき寄せられてました。でも、音程が取れたりするのはピアノをやっていたおかげかなと思っているので、感謝しかないです。

──好きな音楽やアーティストというと?

ミラ:初めはアニメのキャラクターソングばかり聴いてました。持ち歩けるCDプレイヤーで何回も同じ曲をのめりこむように聴いていて。このキャラクターのこういう心情を、こういう風に歌っているのすごくいいなぁとか。それを模倣する感じで歌い始めました。

──どんなアニメが好きだったんです?

ミラ:最初は『テニスの王子様』でしたね。そこから始まって、バンドだとL’Arc~en~Cielに一番影響を受けました。あと、ボーカルだと宇多田ヒカルさんも。どっちもアニメとゲームで知りました。ラルクは「READY STEADY GO」を『鋼の錬金術師』で知って、カッコいいバンドだなと思って聴くようになり、宇多田ヒカルさんは『キングダムハーツ』です。

──しずりんさんはピアノ科だったそうですが、ピアノはいつから始めていたんです?

しずりん:あんまり記憶にないんですけど、母は“2歳”って言ってました。

ミラ:はやっ! すごい。

──物心つく前から。

しずりん:そうですね。なんとなくピアノ教室に通っていたなっていうところぐらいから記憶があります。

──ピアノのどんなところが好きでした?

しずりん:小さいときはピアノが好きというより、発表会でドレスを着れるのが楽しくて、なんとなく通っていた感じでしたね。そういう中でピアノを弾いていたら、(学校で)合唱をするときの伴奏に選んでもらえたりとかして、なんか弾けるのかも……と思い始めて、だんだん音楽の道に進むようになりました。

──どんな音楽が好きでしたか?

しずりん:学生時代は流行っていた音楽をいろいろたくさん聴いてました。小学生の頃だったらモーニング娘。とかORANGE RANGEとか、中学生になったら周りがバンドを聴いていたら自分も聴いたりとか。あんまりこれが嫌だっていうのはなくて、友達に勧められたものとか、興味を持ったものをいろいろ聴いてました。

──<漆黒のZepp>では、東京メルヘン倶楽部結成前夜のお話もいろいろされていましたよね。たとえば、音大には入ったけど、周りは自分よりもうまい子ばかりだったとか。しずりんさんの歌詞って、ミラさんの言葉をお借りすると、“混乱”させるようなものもありつつ、すごくまっすぐに熱いことを書いていたりもされますよね。

しずりん:聴いてくださってありがとうございます! 嬉しい。

──つらいこともあったけれど、やっぱり人前に立って何かを表現したい気持ちは、昔からずっとあったんでしょうか。

しずりん:たぶんあったと思うんですけど、自分はそんなに才能があるほうじゃないんだなっていうのは、音大に行ったりとか、活動していく中で思うようになっていって……。やっぱりすごい人はたくさんいるので。そういうときにミラちゃんの歌に出会えたのはすごくよかったなと思います。

ミラ:こちらこそ。

──人前で何かをする人になりたいと思った瞬間ってあったりしました?

しずりん:中学高校とずっと演劇部だったんですけど、どちらかというと裏方をやっていて。結構規模が大きかったんです。照明とか音響をやれるようなホールが学校にあったんですけど、自分たちが作った作品をお客さんが喜んでくれるというのは──そのときは裏方としてだったかもしれないけど──やっぱり嬉しくて。そのときぐらいから、人前だったり、人に対して何かをしたいという気持ちはあったのかなとは思います。

──ミラさんも、これまでバンド活動をしてきたけれど、なかなかうまくいかなかったというお話をZeppでされていましたが、それでもやっぱり音楽を続けたい気持ちがあったと。

ミラ:あったんですけど、趣味でやる気持ちはまったくなくて。やるからには職業にしたかったんですけど、やっぱり曲が良くないと聴いてもらえないし、オトナの皆さんにも振り向いてもらえないというのはすごく強く言われていたので、曲作りに難航していたんですよね。でも、しずりんは作曲センスが抜群にいいし、歌詞も面白くて、メッセージ性もある。そういう人に出会えたのは、真っ暗闇のトンネルの中で出口がちょっと見えたような感覚があって。あと、しずりんの曲を聴くと、そもそも自分が楽しんでいるなって感じるんですよ。

しずりん:ありがとう。

ミラ:そういう曲を歌えることがすごく楽しいし、初心に戻れたというか。最初は歌うこと、表現することが楽しくて始めたけど、歴を重ねていくといろんなことを言われるようになって。たとえば、“これだと売れないからもっとキラキラした曲を作れ”と言われて、キラキラってなんだ? 俺にとってはこれがキラキラなのに違うのか……とか、すごく悩み苦しむ日々が続いていたんです。個性的なバンドメンバーと関わってきて、化学反応を楽しみながら良いものを作れてはいたけど、これだと上には行けないんだろうなっていうのも薄々感じていて。時代の流れとかもあると思うんですけど、受け入れたくないけど受け入れなきゃいけない現実に途方に暮れていて、もうバンドを休止させようかなと思っていたときに、しずりんが声をかけてくれたんです。

──なるほど。

ミラ:“歌を歌える子を探してる”って、なんとなくDMをもらって。しずりんは自分に持っていないものを持っているし、ヴィジュアルも対照的で。なんていうか、自分はここにいてもいいんだって思えるようなバランスで成り立っていて、今はありがたく活動させてもらっています。

──しずりんさんは自分にないものを持っていることはもちろん、とにかく楽しんでいるところがよかったと。

ミラ:そうですね。自分が忘れていたのは音楽を楽しむことだったので。自分も今楽しいですし、しずりんにはずっと楽しく自由に音楽を表現してもらいたいです。

しずりん:ありがたい……!

──「楽しく自由に」という点とも関わってくると思うんですが、メジャーデビュー以降もこれまで通り、事務所無所属/セルフプロデュースという形で活動していくと発表されていて。そこはお2人にとって大切な部分であると。

しずりん:そうですね。東京メルヘン倶楽部を始めたときから、おそらく自分たちはインディーズでやっていくんだろうなと思っていて。もちろんメジャーで活躍されているアーティストさんは素晴らしいですし、憧れはありつつも、やっぱり自分たちのやっている曲の内容が「マザー・服」とかなので。

──はははは(笑)。はい。

ミラ:もうそう思わざるを得なくて。かといって、自分たちの世界観を変えるのは違うなと思っていたところに、とても寛大なキングレコードさん!っていう感じだったので。そこはお言葉に甘えて、世界観を変えずにやっていこうと思います。

──まずは自分たちが楽しいと思えることをやろうと。

しずりん:その気持ちは今もあるんですけど、それにプラスして、活動していく中でお客さんから声をいただけるようになって。私たちが自由に好き勝手やっているのを見て、“引きこもりがちだったけど、東京メルヘン倶楽部のライブには頑張って来てみました”とか、“着るの恥ずかしいと思っていたけど、東京メルヘン倶楽部のおゆうぎ会だったから頑張っておめかししてきました”とか。東京メルヘン倶楽部をやっていると、こんなに嬉しい言葉を聞けるんだ!?と思えたことは、自分の中でちょっと意識が変わったポイントでもあったんです。なので、自分たちが好き勝手に楽しくやるというのはやっぱり大事にすべきことではあるんですけど、私たちが尖っていろんなことをやっているからこそ、東京メルヘン倶楽部のおゆうぎ会では、みんなも好き勝手にやりやすくなると思うので、そこは大事にしていきたいと思いました。

──今、お話しされていたことは、『MAJOR』の先行配信曲「えんぴつ!!!!!」で歌っていることでもありますね。

しずりん:そうですね。

──ミラさんとしても、セルフプロデュースでやっていくことは大切にしたいと。

ミラ:はい。自由にできてこそ東京メルヘン倶楽部の良さが出ると思うので。自分は“こういう風にしてほしい”みたいなアドバイスを受けてきて、自分がやりたいようにできなくなって、楽しくなくなるというのを経験してますし。もちろん簡単なことではないですけどね。自分たちが好き放題やって皆さんに楽しく受け入れてもらえるということは、本当に簡単なことではない。だけど、それができている今の状況は本当にありがたいことだと思いますし、しずりんの惜しみない努力の結晶だなと。

しずりん:いやいやいやいや。

──そんな思いを持ってリリースされる『MAJOR』は、どんな作品にしようと考えていましたか?

しずりん:やっぱりメジャーデビューなので、名刺代わりになる1枚にしたいなと思ってました。1曲目の「うがい☆パーリナイ」に関しては、東京メルヘン倶楽部はおゆうぎ会が盛り上がるのでそういった要素と、2曲目の「えんぴつ!!!!!」は私たちの個性の部分。「着ぐるみを脱がさないで」は“どうぶつさん”とかかわいところもあるので、そういう要素。「空想ビーチ」は環境問題のことを歌っているんですけど、一応マジメに音楽をやっている部分もあるので、マジメさという部分。最後の「幼稚園で無双するカエルのうた」は、私たちがやってきた童謡の闇堕ちという、この5つ。盛り上がり、個性、かわいい、マジメ、闇堕ちで表現できるかなという意図がありました。

──ミラさんとしては、先行して発表した「えんぴつ!!!!!」を聴いたときにどんな印象を受けましたか?

ミラ:すごくいい曲って言うと簡単に済ませてしまっている感じはあるけど(暗黒微笑)、いろんな人に刺さる曲だなと思いましたね。もちろん自分にも刺さりましたし、むしろ刺さらない人がいるのかなっていう強気な感想です。

──歌ってみていかがでした?

ミラ:歌詞をかなり早い段階で解釈できたのもあって、自分の思うように歌えたかなと思います。昔というか、たとえば「マリトッツォ」とかは、当時どういう心情で歌えばいいのかわからない状態でレコーディングしたのもあって、自分の中で少し悔いが残る感じではあったんです。そこはライブで深みを増して、今は「マリトッツォ」も俺のモンだ!っていう感じで歌えているんですけど、「えんぴつ!!!!!」は一発でいけました。(しずりんに向かって)「マリトッツォ」もいい曲だよ?

しずりん:ありがとう(笑)。私が好き勝手に作れるのも、ミラちゃんの歌唱力が高いからなんですよ。それに、歌がうまい人は多少音程が難しくても上手に歌ってくれるかもしれないけど、ミラちゃんはうまいだけじゃなくて、混乱しながらも、この歌詞はどういうことなんだろうとか、いろいろ考察するのを毎回楽しみにしてくれていて。自分の作る曲を楽しみにしてくれているのはすごく嬉しいし、レコーディングをしていても、うまいのはもちろんですけど、やっぱり愛を感じるというか。そういう気持ちで歌ってくれるのは本当にありがたいし、いいメンバーに出会ったなと思います。

ミラ:こちらこそ。

──確かにミラさんの歌は作品を追うごとによくなってますよね。

しずりん:はい! 本当に!

ミラ:混乱が解けてきているのかもしれない(暗黒微笑)。

──(笑)。「着ぐるみを脱がさないで」は、“かわいい”という要素を表したというお話もありつつ、ミラさんとしては解釈が難しかったようですけど。

ミラ:まだ100%は受け取りきれていないですよ。しずりんの作る曲は情景がすごく見えるんですけど、それをそのまま思い浮かべると、おじさんがスルメをあぶっていたり、おじさんがいっぱいいるテーマパークだったり……ちょっとまだ解釈が追いついてない。

しずりん:そこは「えんぴつ!!!!!」でも書いている“尖り”についてのことでもあって。尖りってただ奇抜なことをすることだけじゃなくて、人それぞれの尖りがあると思うんです。たとえばライブでおもいっきりヘドバンしてくれる人も嬉しいですけど、しみじみ聴いてくださってる人もそれはその人の尖りだし、洋服だって派手な服を着ることだけじゃなくて、別にジャージでダル着でも、それはその人の尖りであって。みんなそれぞれの尖りを大事にしていくほうがいいなと思う中で、もちろんかわいい猫や犬やうさぎのキャラクターがいるテーマパークもいいけど、おじさんだらけのテーマパークもかわいいよねっていう。

ミラ:ん???

──(笑)。「空想ビーチ」は“マジメ”というお話がありましたけども、マジメにしすぎないということも考えられていたりするのかなと思ったんですが、その辺りはいかがです? マジメとおふざけのバランスみたいなものというと。

しずりん:そのバランスを真剣に考えたことはないんですけど、ただ、もしかしたら自分が照れ屋っていうのはあるのかもしれないです。マジメに言い過ぎると恥ずかしいから、ちょっとごまかしてるかなっていう感じはします。

ミラ:「マザー・服」とかもそうだよね。あれも照れじゃないの?

しずりん:そうかもしれない。

ミラ:Zeppで歌っていて唯一泣きそうになったのが「マザー・服」だった。

しずりん:ほんとに?

──母親に感謝という部分で、“いろんなことがあったけど、俺、今Zeppで歌えてるよ”っていうのは確かにグッときますね。

ミラ:危ないですよ。やり手ですよね。

しずりん:ありがと。

ミラ:これは照れが出てるね。

──ミラさんは「空想ビーチ」を聴いたときの印象というと?

ミラ:この曲は自分の想像の斜め上を行く展開というか、自分の解釈とは全然違う答えが返ってきて。曲の中で男女2人がお祭りを抜け出すシーンがあるんですけど、ロマンティックなものを想像していたら全然違っていたみたいで。説明お願いします。

しずりん:ミラちゃん的には男女関係のことだと思ってくれたみたいなんですけど、この2人はお祭りを抜け出して、ゴミ拾いボランティアをするんです。〈これからはじまる 遊び〉というのは、男女関係ではなくゴミ拾いボランティアのつもりで、〈名前も知らない君の 指先が触れて…〉というのは、ゴミを拾ってるトングが触れ合って……。

ミラ:無理だって! そこまで想像膨らませるの無理だよ!

しずりん:ゴミ拾いボランティアを頑張っていたら体温も上がるしっていうつもりだったんだよって言ったら、ちょっと混乱させてしまって。“どっちで歌ったらいいの?”って言われたから、歌い方は男女関係でいいよって(笑)。

ミラ:ライブはそういうつもりで歌います。

──8月からはスタートする全国ツアー<”MAJOR” TOUR 2026>でも注目ですね。それも踏まえつつ、ここからどういう活動をしていきたいですか?

しずりん:まずは東京メルヘン倶楽部を知ってもらうということをしっかりやっていきたいなと思っています。ワクワクするような、ちょっとトリキーなことを続けていきたいなと思いつつ……これはいつになるかわからないんですけど、いつかは本当に、普通のいいバラードもミラちゃんに歌ってもらいたいなと思っていて。そのためにも、まずはたくさんの方に知ってもらってからのほうがいいかなと思うので、今は私たちのことを知ってもらえるように活動していきたいですね。

──充分にタメが効いたタイミングで来るバラードって、破壊力すごそうですね。

しずりん:期待値が……(苦笑)。

ミラ:ずっと前から言ってるからね。

──ミラさんはいかがでしょうか。

ミラ:いい意味で変わらずにやっていきたいですね。忘れられがちな「世界厨⼆病化計画」とかもね(暗黒微笑)。自分の初心にある厨⼆病の心を忘れずにいたいですし、みなさんの中にも厨⼆病の心が絶対にあると思うんですよ。大人になると恥ずかしくて隠してしまいがちな厨⼆病の心が。でも、それはみなさんそれぞれの個性だと思うので、隠さず自由に表現して生きていってほしいし、自分もそうしていきたいので、それを東京メルヘン倶楽部で目一杯表現していきたいです。

──目標であり、自分たちの基本スタンスというか。

ミラ:キングレコードさんのおかげで、これまで小さかった扉が大きくなって、その扉が開いたときに見てもらえる範囲もすごく広くなると思うんですよね。初めての方も観てくださったらきっとハマると確信していますし、我々としてはいろんな機会を発信していくので、良きタイミングで闇堕ちしに来てください。いつでも待っています! 

取材・文◎山口哲生
写真◎尾藤能暢

メジャー1st mini ALBUM『MAJOR』
2026.7.22 (wed) Release
特設サイト:https://king-cr.jp/tokyomaerchenclub_MAJOR/
購入:https://tokyomaerchenclub.lnk.to/1stminiAL
配信:https://tokyomaerchenclub.lnk.to/MAJORTw

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セット内容
・ミラしず♡ニコイチアクリルスタンド
・「MAJOR」初回限定[おゆうぎ]盤
※CDは市販商品と同一内容となります

収録内容
《CD》 ※初回限定[おゆうぎ]盤・通常盤共通
01.うがい☆パーリナイ
作詞:しずりん/作曲:しずりん/編曲:プードルちゃん
02.えんぴつ!!!!!
作詞:しずりん/作曲:しずりん/編曲:プードルちゃん
03.着ぐるみを脱がさないで
作詞:しずりん/作曲:しずりん/編曲:プードルちゃん
04.空想ビーチ
作詞:しずりん/作曲:しずりん/編曲:プードルちゃん
05.幼稚園で無双するカエルのうた (bonus track)
作詞:しずりん/作曲:しずりん/編曲:しずりん

《Mカード》(絵柄全3種ランダムのうち1種封入)※初回限定[おゆうぎ]盤のみ
1.うがい☆パーリナイ -Music Video-
2.うがい☆パーリナイ-Behind The Scenes-
3.「漆黒のZepp」ライブ本編映像
※初回DL期限:2028年7月22日まで
※収録曲:
M0.TOKYO MAERCHEN OVERTURE 2
M1.脈アリ♡spirits!
M2.連絡返して
M3.ドライアイ
M4.マリトッツォ
M5.幼稚園で無双するいぬのおまわりさん
M6.幼稚園で無双するむすんでひらいて
M7.幼稚園で無双するカエルのうた
M8.everyday cheatday
M9.G
M10.We are band members
-幕間映像メルヘンニュース-
M11.猫犬兎
M12.猫犬兎2
M13.トライアングル
M14.辛味Holic
M15.逆アンガーマネジメント
M16.はむろち ~ハムスター6兆匹分のかわいい~
M17.憧れ
M18.畳
M19.マザー・服
M20.なかゆびっ☆
M21.human & animals
EN1.えんぴつ!!!!!
EN2.ありがとう10000のフォロワー
EN3.メルヘン

<東京メルヘン倶楽部 “MAJOR” TOUR 2026>
8月19日(水)
東京・新宿LOFT

9月25日(金)
福岡・Live House 秘密-Himitsu-

10月11日(日)
名古屋・新栄シャングリラ

10月12日(月・祝)
静岡・UMBER(アンバー)

11月3日(火・祝)
大阪・TH-R HALL

関連リンク
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