治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が、自身のYouTubeチャンネルで「【栃木・上三川町】バール強盗・実行犯(16)3名が逆送へ。司法の裁きを受けよ。元警視庁刑事が解説」と題した動画を公開した。栃木県上三川町で発生した16歳少年らによる強盗事件を軸に、少年法における量刑の限界と司法の在り方について問題提起を行った。

動画で小比類巻氏は、5月に発生した本事件の概要を説明。16歳の少年が69歳の女性に馬乗りになり、20回以上ナイフで突き刺したという残忍な手口を挙げた。さらに、この事件には実行役の少年の他に、別の場所から通信アプリでリアルタイムに指示を出していた指示役や、公開手配されている上位の主導役が存在していると述べ、階層化された組織的犯罪であることを指摘した。その上で、事件が家庭裁判所から検察官へ送致される「逆送」の手続きについて解説し、少年法により16歳以上の少年が故意に被害者を死亡させた場合は、原則として検察官へ送り返されると語った。

一方で小比類巻氏は、強盗殺人罪の法定刑が死刑または無期懲役であるにもかかわらず、少年法第51条により「犯行時18歳未満の少年に死刑を科すことができない」と指摘。さらに、過去の連続強盗殺人事件の判例や、2020年に福岡市の商業施設で起きた15歳少年による女性刺殺事件を例に挙げ、「無期懲役刑を言い渡すためのハードルが極めて高い」と司法の実情を厳しく紐解いた。無期懲役ではなく、有期刑となる不定期刑が適用されるケースが多い現状に触れ、「年齢による壁」が存在することを強調した。

最後に、重大な結果を招いた事件においても「無期懲役刑を課すには至らないと判断している」という現行の裁判例の傾向を憂慮。凶悪犯罪を犯した少年に対する法と実際の量刑のギャップに対し、強い危機感を示して動画を締めくくった。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。