バンクーバー警察のウェブサイトには閲覧していたのがバレないようにすぐ離脱できる「クイックエスケープボタン」が搭載されている

カナダのバンクーバー警察のウェブサイト「https://vpd.ca/」には、直前までサイトを見ていたことがバレにくいように素早く離脱する「QUICK ESCAPE」というボタンがあります。もし誰かが危険にさらされていて、警察に助けを求めたいと考えている自分の行動を隠したい場合に、ブラウザやタブを閉じるよりも行動を隠しやすくなっています。
VPD Home - Vancouver Police Department

バンクーバー警察のウェブサイトを閲覧中に、サイトを見ていたことを他の人に気付かれないように素早く離脱したい場合、右下にある「NEED TOLEAVE SITE FOR YOUR SAFETY? QUICK ESCAPE」をクリック。

「ボスが来た」のように画面が切り替わり、新しいタブでカナダ政府の天気情報ページが開きました。元のタブはGoogle検索のトップページになっています。

ブラウザの履歴を確認。

履歴にはカナダの天気情報ページとGoogleしか表示されておらず、バンクーバー警察のページは履歴に残っていませんでした。

また、元のタブから「戻る」ボタンをクリック。

ブラウザのホームページが表示されるのみで、バンクーバー警察のページに戻ることはありません。

イギリス政府のウェブサイト「GOV.UK」も同様に「素早くページから離脱する」コンポーネント「Exit a page quickly」を2023年にリリースしており、使用例として家庭内暴力から逃れるための支援サービスを利用する潜在的な被害者のプライバシー保護を支援することを挙げています。
「Exit a page quickly」の開発に携わったbeeps氏は、仕組みについてブログで解説しています。
Why GOV.UK’s Exit this Page component doesn’t use the Escape key / Blog / beeps
https://beeps.website/blog/2024-10-09-why-govuk-exit-this-page-doesnt-use-escape/
beeps氏によると、「離脱」という意味ではEscapeキーを押すことで動作させることが理想的でしたが、Escapeキーは他に多くの用途があったり特殊な動作をするキーだったりと障害が多く、Shiftキーをショートカットとして実装したそうです。また、GOV.UKの「Exit a page quickly」ではBBCの天気予報にリダイレクトされますが、それは政府サイトからニュースサービスへのリンクにすると政治的偏向の批判につながる可能性があり、Googleのホームページに飛ばすと「Google検索はURLバーからする人がほとんどで、実際にGoogleのホームページを使う人なんていない」と考えられるため、天気予報が最も不審に思われにくいとのこと。

そのほか、ニュージーランド政府機関や企業のウェブサイトの中には、JavaScript を利用したポップアップ「Shielded Site」が利用できるものがあります。Shielded Siteに表示される情報はブラウザの履歴には表示されないため、プライベートブラウザと同じような効果を目立たずに利用する事ができます。

ソーシャルニュースサイトのHacker Newsでは、素早くページから離脱して履歴が残らないボタンの実装について、「Escapeキーを押して離脱する場合、『何かを隠そうとしている』と目立つ可能性があります」と指摘する意見や、「最も安全なのは、Chromeのシークレットウィンドウを開いて、必要に応じてAlt+F4を押してブラウザを素早く閉じる方法です。しかし、Chromeのシークレットウィンドウはデフォルトでダークモードのため普段ライトモードを使用している場合に非常に目立ちます」という指摘など、周囲の人からサイト閲覧がバレにくいアイデアについて言及されています。
