福山駅前の映画館 市民に愛され79年の歴史に幕
6月、福山駅前にある映画館が79年の歴史に幕を下ろしました。営業最終日までを密着取材し見えてきたのは、地元の人たちの青春の思い出と映画への愛でした。
数々の映画を映し出してきたスクリーン。あの音楽や、あの名場面。映画館で見た映画の数だけ、忘れられない思い出があります。
福山駅前にある唯一の映画館「福山駅前シネマモード」。戦後の1947年、仮設映画館「日米館」として誕生し、1967年からは現在のビルで営業を続けてきました。
設備の老朽化により、6月末で79年の歴史に幕を下ろすことが決まりました。
■俳優 金児 憲史 さん(47)福山市出身
「やっぱり、ずっーと思い入れのある劇場ですよね。」
福山市出身の俳優・金児憲史さんです。
■俳優 金児 憲史 さん(47)福山市出身
「よくね、 デートするときも使わせてもらったりして。手をつなげるかどうか、みたいな。」
映画「長篠」。思い出の映画館の閉館直前、金児さん主演作品の上映が急きょ決まりました。戦国時代、武田軍と織田・徳川連合軍との決戦「長篠の戦い」を描いた映画です。
■俳優 金児 憲史 さん(47)福山市出身
「素直にうれしいです。シネマモードさんが閉館するのはさみしいですけど、滑り込みで自分が主演した作品を上映してもらえてうれしいです。」
金児さんの主演映画が、ふるさとの映画館で上映されるとあって多くのファンが駆けつけました。
■俳優 金児 憲史 さん(47)福山市出身
「僕もこうやって役者になること自体、思ってもみなかった。ずっと劇場に通っていたとき、ただただ(映画が)好きで見ていた。これからも東京で戦いながら福山を背負って、本当に微々たるものですけど映画に携わって映画界を背負って、まい進していきます。」
閉館の日。6年間、支配人を務めてきた藤井信(まこと)さんです。
■福山駅前シネマモード 藤井 信 さん
「やっぱり、こみ上げてくるものがあります。映画館を開けて閉めてを繰り返しだったけれど、映画館で映画を見るという皆さんの思いがここまで強いんだと改めて感じる1か月になりましたね」
午後7時からの最終上映は2つのスクリーンで「E.T.」と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を選びました。
■福山駅前シネマモード 藤井 信 支配人
「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も』E.T.』も未来に向けてという映画だなと思って。劇場は閉まるけど、映画はまだ続いていくよという意味を持たせたかった」
名作映画を上映する「さよなら興業」には多くの映画ファンが訪れました。
■来場者
「青春の中学生から高校生、社会人まで楽しませていただいた。」
Q.最後E.T.なんですが
「(E.T.を見るのが)初めてなんですよ。楽しみです。名作を最後ここで見られるので。」
■来場者
「最後、皆さんどういうふうな感じで見られるのかなと思って、その当たりも含め、きょうは楽しみたい。」
上映後、映画館の壁に多くのメッセージが書き込まれました。
■書き込まれたメッセージ
「初めて見た映画はET そして最後にまた見ることができました」
「彼女との初デートはベスト・キッド」
「キングコング初めて見た映画!小学3年生の思い出!」
「私の青春だった」
■福山駅前シネマモード 藤井 信 支配人
「この場所に映画館があるってことは、こんなにも人の心を動かせるんだなと。人の心に残る場所であったんだなっていうのを改めて感じました。皆さんの地元にもし今、映画館があるのであれば、ぜひ 映画は映画館で、映画をずっと好きでいてください。ありがとうございました。」
■書き込まれたメッセージ
「“ここで新しい世界”に出会えました 本当にありがとう」
映画愛に満ちあふれていた福山駅前の映画館は静かに幕を下ろしました。
【テレビ派 2026年7月14日 放送】

