藤沢駅南口の再開発、完成が3年遅れ2035年に 物価高騰や人件費上昇…事業費は当初の1・5倍で計画見直し

藤沢駅南口(神奈川県藤沢市)の商業ビル3棟を一体化し、駅直結でオフィスやホテルなどが入居する再開発計画を巡り、新たな再開発ビルの完成時期が2032年から35年に遅れる見通しであることが13日、分かった。物価高騰や人件費の上昇で事業費が当初の約1・5倍まで膨らむことが判明し、再開発準備組合が事業計画の見直しを決めた。
事業対象の391地区(区域面積約5千平方メートル)はフジサワ名店ビルとダイヤモンドビル、CDビルの3棟が立地する。計画では3棟を一体化し、地上17階、地下2階建ての再開発ビル(延べ床面積約3万5200平方メートル)を建設。店舗やオフィス、多目的ホール付きホテルなどを配置するとしている。
事業収支を巡っては、建物を高層ビルに建て替えることで新たに生み出される床「保留床」を売却して事業費に充てる。しかし、準備組合によると、資材の高騰や建設業界の人手不足による人件費増で、総事業費が当初見込みの約270億円から約400億円に膨らみ、収支は約80億円のマイナスの見通しであることが昨年10月に判明したという。
準備組合は計画を見直すため、3棟の営業終了時期を予定していた28年3月から31年に延期することも決定。準備組合は今後について「本年度は工事費に関する情報を収集し、新たな計画の発案は27年度に進めたい」と話している。ただ事業費はこの先も増額の懸念があり、準備組合は「スケジュールがさらに延期する可能性もある」との認識を示している。
また3棟のビルは老朽化が進み、17年に藤沢市が公表した耐震診断の結果では、名店ビルとCDビルは震度6強以上の地震で「倒壊または崩壊の危険性が高い」とされている。準備組合は「延期すればビルの耐震性の懸念もある。しかし打つ手がなく断腸の思いだ。地権者には申し訳ない」と説明している。
