現在はTikTok配信者として活動している遠藤要

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 かつて、『クローズZERO』『ROOKIES』などの人気作品で唯一無二の存在感を放っていた俳優・遠藤要(42)。2017年に「違法カジノ問題」が発覚し、翌2018年に所属事務所を契約解除となって以来、表立った芸能活動はほぼしていない。

【写真を見る】現在42歳の遠藤要。事務所を2度クビになったトラブルの背景とは…

 しかし、遠藤は今も俳優業へのリスペクトを持ち続けている──19歳で夢を叶えるため地元を飛び出した頃を振り返りつつ、その熱い思いを明かした。【全3回中の第2回。第1回から読む】

 俳優を目指し始めたのは19歳の頃だった。当時、遠藤は地元・千葉で土木作業員をしながら一人暮らしをしていた。女手一つで育ててくれた母親を17歳の時に亡くし、周囲の大人たちに支えられながら生活を続けるなかで、ある日、友人の母親から「私が働く老人ホームに遊びにおいで」と誘われたという。それが、最大の転機だった。

「せっかくだし皆でお芝居でもやって、お爺ちゃんお婆ちゃんたちを喜ばそうぜ」

 思い立つや否や、大胆に動き出した。育ててくれた母親への感謝と自身の経験を基に『人間ってバカだから』というタイトルの脚本を執筆し、友人たちと演劇を作った。そして、老人ホームで披露したところ、想像以上の嬉しい反応が返ってきたという。

「お爺ちゃんお婆ちゃんを感動させるつもりで作ったお芝居が、結果的に僕の人生を変えたんです。お芝居を見ていたお婆ちゃんから『ありがとう』と握手を求められました。しかも、目には大粒の涙を溜めて。そこで僕は、全身がゾクゾクゾクッ! と粟立って『あぁ、これを人生にしたい』って思ったんです。

 次の日には、職場に辞表を出しました。『俳優になるんで仕事辞めます』『明日から東京出ます』と宣言したら、周りは笑ってましたよ。でも僕は本気だった。すぐ家を引き払い、全財産8万円だけを手に、東京へ出て行きました」(遠藤、以下同)

 着の身着のまま上京した遠藤を待っていたのは、過酷な下積み生活だった。

「なんせ、何も分からず飛び出してきたので。『遠藤要。◯◯中学校卒業。人に影響を及ぼす俳優になりたい』とだけ書いた紙を持って、雑誌の裏に載っていた芸能事務所を何十件、何百件と回り、毎日ひたすら『俳優にしてください!』と売り込みに行きました。

 東京に出てきて2か月くらいですか。ある音楽事務所の社長さんが、僕を面白がってくれたんです。その方の紹介で、芸能事務所が決まりました。とはいえ、充分な仕事や稼ぎがあるわけじゃない。渋谷駅で寝泊まりしながら舞台に通ったり、1セリフしかない出演舞台のチケットを駅で手売りしたり。そういう生活を4年間くらい続けました」

喧嘩から事務所を2回「クビ」に

 そんな一心不乱に夢を追い求める遠藤に、特大のチャンスが訪れた。デビュー作にして出世作となる『クローズZERO』(2007)のオーディションだ。

 遠藤は総勢800人のオーディションを勝ち抜き、最強勢力・芹沢軍団を支える"参謀"「戸梶勇次」役に大抜擢。小栗旬(43)、山田孝之(42)、黒木メイサ(37)らと並んでメインキャストを張り、映画は興行収入25億円の大ヒット作となった。

「共演者がみんな凄くて。本気でお芝居の世界で戦っている人たちって、立ち振る舞いから全然違うんですよね。一気に意識が変わりました。周りが凄いからこそナメられるわけにはいかない。絶対インパクト残すんだ!って気持ちが相当デカかったです。今でも一発目に『クローズZERO』をやれて良かったと思います」

『クローズZERO』出演で環境は劇的に変わり、一躍、有名俳優の仲間入り。次から次へと仕事が舞い込んでくるようになった。

 ただ、仕事に忙殺される中で"悪いクセ"が顔を出すこともあった。

「ずっとやりたかった仕事のはずなんですけど"欲"に負けちゃう。矛盾しまくりです。実は僕、事務所を2回クビになっているんですよ」

 何があったのか。

「『クローズZERO』の打ち上げで、酒癖がほんと悪くて。二次会の途中で、ある俳優さんと喧嘩になったんです。大揉めになって、1度目のクビに。

 2度目のクビは、『ROOKIES』の現場での態度が原因でした。スタッフからぞんざいな扱いを受けたのがどうしても許せなくて。若手だったからか、すごい下に見られる感じがあったんですよ。それでスタッフに楯突いて、喧嘩になったんです」

「わかりやすく調子にのっていた」

 その後、遠藤は別事務所に所属が決まるが、またしても、"欲"にのまれてしまう。

「27歳ぐらいでCMのお仕事がもらえるようになってから、わかりやすく調子にのっちゃったんです。それまでは2年間ぐらいほぼ休みなく働く生活で、たまに10人ぐらい連れて飲みに行くのが大好きだった。だから、お金は全然貯まらなかったです。

 けど、CMのギャラはもう桁が違う。大人数を連れてキャバクラへ行くようになったり、大胆な遊び方をするようになっていました。いま思えばホント考えられないんですけど、飲んで寝坊して遅刻するんです。最悪じゃないですか。で、当然怒られるんですけど、『芝居で見せりゃいいんだろ!』って吐き捨てるみたいな。もう調子のりまくりですよ」

 そして2017年2月、「闇カジノ」への出入りが報じられ、4か月の謹慎に。翌2018年には飲食店で従業員相手に暴力事件を起こしてしまう。

「30万円ほどの注文で70万円を請求されるという"ぼったくり"被害に腹を立てたことでトラブルになり、店員に1発平手打ちをしてしまった」と遠藤は話す。その場で和解が済んでおり、後々不起訴処分になったが、ニュースは広く報じられた。結果的に、事務所からは契約解除の判断が下される。

「当時は、めちゃくちゃヘコみました。なんてことをしてしまったんだ、もう好きなお芝居ができなくなる、と。でもウジウジしてても仕方ない。だんだん『絶対復活して見返してやろう』という気持ちが強くなりました」

格闘技デビューは"禊"

 俳優業を事実上の休止になってから8年。遠藤の気持ちは今も変わらないという。

 2023年1月には、『クローズZERO』時代からの盟友・高岡蒼佑さん(44)からの誘いを受け、格闘技大会「競拳22」に出場。2か月間のトレーニングを経て、格闘技デビューを果たした。遠藤は格闘技に挑んだ理由を「禊だった」と話す。

「ずっとメディアにも出られていなかったし、蒼佑くんから『出てほしい』と声をかけてもらったし。最初で最後、本気で1回限り格闘技に挑戦して、それが何かに繋がれば、という思いがありました」

 格闘技デビューを発表したのは、高岡さんのYouTubeチャンネルに投稿された対談動画だった。動画内で遠藤は「これをきっかけに『また役者業に戻りたいです』なんて言わない。そんなおこがましいこと言えないよ」と発言していた。その真意を明かす。

「復帰を諦めていたんじゃない。ただ、簡単に戻れる世界じゃないと分かっていたんです。

 対戦相手は(当時)24歳の子で格闘技歴8年。正直、勝てるわけないじゃないですか。でも『自分は強い格闘家なんだ』って"役"でリングに立ったら、立ち向かうことができる。体重だって、本番までの2か月で18kg落とすことができました。どんだけ無様な姿を晒すことになるとしても、本気の姿を見せるのが自分にできることなのかなと思ったんです」

(第3回へ続く)