■以前に出されたファーストアルバムから3年半ほど空いてますが、気持ちの変化などはありましたか?

日之内:正直、デビューの時と今では全然、自分の気持ちが違って。デビューの時は全てが始めてで、やっと夢が叶って今から動き出すぞっていう時に、自分の対応できることがすごく少なくて。ちゃんと振り返ることもできずに、ただ目まぐるしく毎日が過ぎていった感じでした。その後の3年半は、音楽性とか自分自身について色々と考えられる期間でもあり、気持ち的に焦る部分や、落ち込んだり下がり気味になりそうな時もありました。でも最終的には、次にチャンスが来た時にちゃんと対応ができて、すぐに動きだせるようにしておかなきゃいけない、ということに気付いて。今、目の前にあって出来ることをとにかくもうやるしかない。音楽をいっぱい聴いたり、歌の練習をしたり、曲を書いたり。表立って活動ができなくても、自分の中で成長できるようなことはどんどんやろうと思って。そうして今やっとスタートがきて、まだ本当に動き出したばかりですけど、以前とは全然違うという実感があります。作品一つにしても自分の満足のいく所まで突き詰められる余裕や技術もアップしたので、今は色んなことに対する充実感も違いますね。

■歌詞のテーマにしたいと考えていることはありますか?

日之内:私は色んな所ですぐ「あっ、これ歌詞にできるかも!」と思う方なので、テーマは無限にありますね。恋愛って人の永遠のテーマなので、今までもこれからも書いていきたいと思ってます。あと最近、気になるニュースや悲しい事件も多いですし、直接的な内容でなくても、少しそういうものに触れられるシリアスな歌詞も、幅広く書きていきたいと思っています。

■日々の生活の中で、触発されて歌詞を書きたくなる機会は多いですか?

日之内:何にでもすぐ反応しやすいタイプなので、影響も受けやすいです。さっき言ったように対応できることも今、増えているので。前は感じてはいつつも、どう表現していいか分からなかったり、ちょっと難しいと思ったことにも、これからはチャレンジしていきたいです。

■インドアとアウトドアではどちらだと思いますか?

日之内:割と外に出ますね。何をするわけでもなく、散歩がてらてテクテク歩いたり。人間観察も好きなので、例えば電車で向かいに座っている女の子が暗そうな顔してると、「何かあったのかな?彼氏にフラレたのかな?昨日の夜にケンカしたのかな?」とか想像するのが好きなんですよ(笑)。それが思わぬ歌詞のヒントになって、携帯電話に入れたり。

■今回の「O’kay」と「chocolate」は恋愛の曲ですが、主人公の女の子のキャラクターが若干違いますね。一人の女性の中にも色んな表情があるとは思いますが、歌詞に登場する女の子と、実際の日之内さんご自身とは近い感じですか?

日之内:そうですね。私とはまた違う部分もあるんですけど、どの曲にも自分が本当に感じ取ったり、リアルに思うことを書くように心掛けていますね。だから、「O’kay」の前向きで強気な面も自分自身が持っている部分でもあります。「O’kay」では、「“楽しもう”という姿勢を大事にしよう」という部分を出したくて。恋愛とか関係無くても、「頑張ろう、頑張んなきゃ」と思って自分自身をアゲル時って、自分の中で大げさにテーマを掲げるような気持ちじゃないですか。大げさなことって意外とテーマに掲げると前向きになりやすかったり、そういう世界観をこの曲の歌詞にも表現したくて。真顔で読むと恥ずかしくなるような言い回しも、敢えて入れた方が明るい雰囲気も感じ取れるかなーと思いまして(笑)。

■すごく前向きだし、自信家で積極的な女の子ですね。そうじゃない人にとっては、応援ソング的な意味合いもあるのかなと感じました。

日之内:そうですね。「O’kay」に出てくるような女の子が、日常でそのままのキャラを出すと、ただのウザイ女になっちゃうんですけど(笑)。結局、自分の中での持ちようなんですよね。自分の中でのテーマに掲げておければ、人にも優しくできたり、常に笑顔でいれたり。そのままそっくり日常生活でこれをやっちゃえ!という訳ではなく(笑)。

■日之内さんは、自分自身をどんな女の子だと思いますか?

日之内:色んな面があるかもしれないですね、色んなことに影響されやすいですし。その時々によって、自分のテンションとかキャラが本当に変わりやすいので。切ない曲を聴くと「嗚呼、もう私すごく可哀想、幸の薄い女だわ?」みたいな気持ちにもなりますし(笑)。強気な曲を聴いたら「敵はいないわ!」ぐらいの強気な自分にもなりますし(笑)。何でも、なりきるのが好きなんですよ(笑)。自分自身でも掴めない部分はあるかもしれないですねー。