【ボクシング重岡銀次朗さん】元世界王者のリング事故から1年…麻痺と言葉の壁に直面しながらも「兄弟で前へ」
車椅子で訪れた元世界王者
5月2日、熊本市中央区のカフェ。
<画像を見る>再出発「これからも重岡兄弟をよろしくお願いします!」
兄・重岡優大さん「(銀次朗さんとハイタッチ)うえい!お疲れ、まあ入れよ」
車椅子でカフェに訪れたのは、ボクシングIBFミニマム級の元世界チャンピオン・重岡銀次朗さん(26)です。
プロ転向5年で世界王者に
銀次朗さんは、高校時代に全国大会5冠を成し遂げ、鳴り物入りで挑んだプロの世界でも、2歳上の兄・優大さんとともに、一度も負ける事なく、プロ転向後5年、10戦目にして世界チャンピオンにまでのぼり詰めました。
12ラウンド激闘後の緊急手術
しかし、王座から陥落し、返り咲きを目指した去年5月24日の世界戦。12ラウンドの激闘の末、銀次朗さんは判定負けを喫しました。
その試合後、急性硬膜下血腫と診断され、緊急手術を受けることになりました。
一命は取り留めるも、残る後遺症
急性硬膜下血腫とは、頭への衝撃で頭蓋骨の下にある硬膜と脳の間に出血が起こり、そこに出血した血液が急速に溜まることで、脳が強く圧迫される状態になることです。
一命は取り留めましたが、銀次朗さんは、体の麻痺や言葉がほとんど出ないといった後遺症が残りました。
兄・重岡優大さん「あまり覚えていないというか、精神が崩壊していて、何も考えられないし、経験したことがない時間でした」
「『銀次朗と再会できる場所』作れたら」
弟をサポートするため、兄の優大さんは、現役を引退。第2の人生として選んだのは「カフェを営むこと」でした。
兄・優大さん「ボクシングを通して弟が出会った人たちがもう一度『銀次朗と再会できる場所』を僕が作れたら、弟は喜ぶのではないかなと思って」
今年2月、念願のカフェがオープン
そして、2026年2月。熊本市中央区上水前寺にカフェ『Shinonome coffee』をオープンしました。
3月には303日の入院生活を経て、銀次朗さんが退院しました。
銀次朗さんは、今、実家で家族やヘルパーに支えられながらの生活で、これまでに数回、優大さんが営むカフェを訪れています。
そして、仲間との再会
カフェでは、銀次朗さんを待ちわびた人々との時間が流れます。
地元の友人「銀!久しぶり!めっちゃ笑顔やん。久しぶり。本当に嬉しい。帰ってきて」
優大さんがオープン前に描いていた「再会できる場所」が現実となっていました。
兄・優大さん「再会するきっかけになったので良かったです。僕がこのカフェを作らなかったら、再会できていないかもしれないので」
「でも、エゴにはなりたくない」
一方、銀次朗さんが店に来て1時間ほど経つと、少し疲れが見てとれました。
兄・優大さん「あいつも楽しめるほど体力が戻っていなかった。エゴになりたくないんですよ。銀のためじゃなくて、自分が銀にしてあげたいことをしているのでは意味がないと思うので、ちょっと僕は反省しています」
これからも重岡兄弟をよろしくお願いします!
ボクシングでどんなに辛い時も弟がいたから乗り越えられたと振り返る兄・優大さん。リングでの事故からも兄弟で立ち上がる決意を固めています。
兄・優大さん「あの時、1年後こうなると思っていなかったので。また次の1年後、違う景色が見えていると思うので。こんな感じで、どんどん突き進むので、これからも注目していただけたら。重岡兄弟をよろしくお願いします」
