京都駅ビル【公式】のXより

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京都駅周辺のまちづくりのあり方を検討する有識者会議は25日、京都駅周辺の高さ制限を大幅に緩和する案をまとめた。会議では約1年にわたり京都駅前の再生ついて議論され、有識者らは「時代に合わせて柔軟に変化させていく必要がある」と結論づけて意見書をまとめた。

その中には、現在、京都駅周辺で31メートルとなっている建物の高さ制限を、最大60メートルに緩和する内容が盛り込まれていたが、これに対し市民団体や京都弁護士会から「景観を損なう」などとして反対の声が上がっている。

京都市の条例では、景観を守るため建物に厳しい高さ規制が設けられているが、これまでも建物の高さをめぐる景観論争がたびたび起こってきた。

1964年に誕生した京都タワー(高さ131メートル)は建設当初から賛否が分かれ、結局、建造物ではなく工作物ということで高さ規制をすりぬけて建設された。京都ホテル(現ホテルオークラ京都)が91年に法律の特例を適用して高さ60メートルに建て替える際、京都仏教会が反対し、同ホテル宿泊者の加盟寺院への拝観を拒否する騒動となった。また同年、京都駅ビルも同様に高さ60メートルの現在の駅ビルに建て替えられることになったが、市民や文化人による反対運動が起きた。

そんな事情を背景に京都市は2007年に新景観政策を定め、市街地の建物の高さの上限を45メートルから31メートルに引き下げ、エリアごとに10、12、15、20、25、31メートルの6段階に分け、これが現行となっている。

では、なぜいま高さ規制緩和なのか。意見書では京都駅周辺の再編には民間ビルの更新によるスペースの確保が必要としたうえで、建て替えを誘導する手法として高さ規制の緩和を提言している。

「京都市は2020年から3年連続で人口減少数が全国最多で、特に若者の流出が顕著といいます。大学が多く学生も多いですが、就職をきっかけに市外に出てしまうケースが多いのです。さらに結婚・子育てを機に転出するケースも多いといわれます。そこで新たなビジネス拠点の創出が必要ということで京都駅周辺の高さ規制緩和でオフィスを集積したいというわけです」(情報誌編集者)

市は今後、提出された意見書をもとに検討していくそうだが、これからも論議を呼びそうだ。