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【あの頃、テレビドラマは熱かった】

えなりかずき「Qrosの女」で“渡鬼”イメージ一掃! 何を演じても“眞”から名バイプレーヤーへ

「渡る世間は鬼ばかり」
 (2002年/TBS系)

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 眼鏡の両端に「2」をつけた酔っぱらいで明けた2002年。4月期に放送された木村拓哉×明石家さんまの「空から降る一億の星」がこの年の連ドラ最終回視聴率トップだった。サスペンスが盛り上がる終盤がサッカーW杯と重なった中で、平均22.6%、最終回27.0%は月9の底力。

 そしてこの「ソライチ」と同じ4月に始まり、全話平均がそれを上回ったのが「渡る世間は鬼ばかり」だ。この時は第6シーズンで、年をまたいだ全51話の平均が23.5%。唯一20%を割ったのが6月13日の第11話で、それでも19.9%だから、“W杯の熱狂”とガッツリ渡り合ったと言ってもいい。

 70年代から“ドラマのTBS”を支えたホームドラマのレジェンド、石井ふく子P×橋田寿賀子脚本のプラチナコンビ。それに“おしん女優”泉ピン子らが加わった「渡鬼」は、90年代から00年代にかけて長い間“鉄板”だった。

 やたら説明の多い長ゼリフも、「夕食の後片づけやアイロンをかけてる主婦が目を離しても話がわかるように」という発想からだったらしい。でも、トレンディードラマにはないクセの強さにハマる若年層も増え、00年の第5シーズンあたりから「渡鬼」と略されるようになっていた。

 この頃までが最盛期で、第7シーズン以降は20%割れをしていく。演者もヘビー視聴者も高齢化していくから当然っちゃ当然だし、“永遠”なんてあるはずもないし。

 当時、僕は「渡鬼」を「日本版ツイン・ピークス」と評していた。90年代初期に流行したデビッド・リンチ監督のクセつよサスペンス。理由が「やたらアクの強い登場人物が複雑に絡み合って、話がちっとも前に進まない」という一点のみだったから、誰も賛同してくれなかったけど。

 1週見逃すととんでもないことになっていたり、それでも相変わらずの部分もあってちょっと安心するのも共通点。でも、ちゃんとその世界は視聴者とともに動いているのが「渡鬼」の最大の魅力だ。

 第6シーズンにはちょうどW杯の6月、当時16歳の上戸彩も出演している。そしてえなりかずき(写真)の“眞”は受験生。当時でも「あー、大きくなったなあ」なんて思ってたのに、今は大きくなったのを通り越してもう41歳だ。そりゃこっちも年を取るわけで。

 この年に連ドラとして始まった「相棒」の右京と亀山だって年を取っているし、ベッカムのソフトモヒカンは、今や“おっさんの無難な髪形”だ。

 ちなみに「こんとんじょのいこ」と言えば、誰でも、えなりの「簡単じゃないか」のモノマネができるって「トリビアの泉」でやってたなあ。

 あっ、今やってみたでしょ?

(テレビコラムニスト・亀井徳明)