広島テレビ放送

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 広島の街を長年見守ってきた広島城天守が3月23日で閉城し、68年の歴史に幕を下ろしました。天守の歴史を振り返るとともに、広島城を愛する人たちの最終日を取材しました。

 雨が降る中、ライトで鮮やかに照らされた五層の広島城天守。再建されてから68年、22日夜をもって閉城し、大きな区切り迎えました。集まった地元の人達や歴史ファンが別れを惜しみました。

■会場に来た人(広島市内から)
「さびしい気持ちはありますね。天守にのぼれなくなるというのが。」

 広島市の中心部にあり、年間60万人以上が訪れる「広島城」。天守は1590年ごろ、毛利元就の孫である輝元が築きました。1931年には国宝にも指定されました。しかし原爆投下で、爆心地から980メートルの位置にあった天守は、倒壊しました。その6年後、広島で開催された国体に合わせて天守を建造。周りには、ジェットコースターのような乗り物もありました。天守は国体終了後に解体されましたが、1958年に再び復元。鉄筋コンクリート造りの天守は現在もその姿を残しています。
 しかし再建から68年、老朽化が進み、震度6強から7の地震で倒壊する恐れがあると判明。閉城が決まりました。

■大阪から
「6時から並びました。22日にもう天守閣に登れないと聞いて、これはもう行くしかないと。」

 閉城を控えた3連休、県内外から多くのファンが訪れました。入城するための整理券を求めて長い行列が出来ました。そしてきのう…

■大江芳樹記者
「閉城をまもなくに控え、最後に天守の中の様子を一目見ようと、多くの人が訪れています」

 城内は多くの人でにぎわいました。

■訪れた人
Q.きょうまでしか(天守に)入れないんだよ?「悲しい…」
■訪れた人
「さみしい限りですね。(城の)絵を描くのに母が連れてきてくれていた。」

 月に1回は城を訪れ、観光客を楽しませている侍も、寂しさを隠せません。

■侍(広島市出身)
「上がってみると常に時代ごとに風景が変わる。そういうのも感じられるので、また上がれるようにしてくれると本当はいいんですけどね。」

 城の天守は当面の間、そのまま残されます。

 写真家の宮本健吾さんです。中に入れなくても撮影して楽しめる広島城の魅力を教えてくれました。

■写真家 宮本健吾さん
「水堀りを含めた構図の写真がすごくきれいで、僕も結構魅了されて。季節に応じて撮ったりとか、期間限定でライトアップしていて、ライトアップの時に撮ったりとか。」

 9年前から城を撮り続けている宮本さんに、オススメの撮影スポットを案内してもらいました。

■写真家 宮本健吾さん
「ちょうどここに来るとまっすぐ。きょうは風がなくて静かですね。」

 水面に映る逆さの天守を、きれいに撮ることができるといいます。

■写真家 宮本健吾さん
「今はこんな感じですかね。たまたま鳥がすごく飛んでいて、バサバサというシーン。どっから撮ってもいつ撮っても、表情が違って撮りごたえもあって。面白いのが、写真を撮る人にとっての広島城の美しさ。」

 市は木造での復元も検討していますが、費用はおよそ194億円。完成時期は、最短で2049年度です。

■セレモニー後の見送り
「ありがとうございました」

 木造での復元か、それとも耐震補強など別の方法での再建か…。市は難しい判断を抱えます。

■広島市 松井市長
「広島城の価値、役割を次の世代に確実に引き継ぐための取り組みを進めていくための重要な一歩にしていきたい。」

 世代を超えて広島の街を見守ってきた広島城天守。後世へどのように残すか、魅力づくりを見据えた再建が期待されます。

2026年3月23日 放送