100万円を超える融資手数料がなんと半額に…フラット35を安く借りる「お得な裏ワザ」

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日銀の利上げ方針を受け、歴史的な節目を迎えている住宅ローン金利。変動金利が15年ぶりに1%の大台を超える一方で、固定金利の代表格であるフラット35の優位性も改めて注目されている。

では、フラット35をお得に借りる方法はあるのか。

住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」を運営するMFSの取締役CMOで、住宅ローンアナリストでもある塩澤崇氏が解説する。

前編記事〈2026年、住宅ローン金利はまだ上がります…専門家が解説「銀行の低金利競争の終焉」〉から続く。

固定金利を選ぶ人も増えている

昨今の住宅ローン金利の上昇を受けて、モゲチェック利用者の意識にも変化が生じ始めています。変動金利優勢には変わりがないものの、直近では固定金利を検討し始める方も増えてきました。

これまで変動金利と固定金利の比率は概ね「9:1」でしたが、今後はこの割合が「8:2」程度まで進む可能性があると見ています。

もちろん、変動金利と固定金利には1%以上の金利差が存在するため「変動金利の方が魅力的だ」と考える方が多いのは事実です。ただ、「将来の安心を買う」という意味で固定金利を選択肢に含める動きは着実に広がっています。

民間ではあり得ないフラット35

固定金利を検討する際、まず候補に挙がるのが「フラット35」です。実は、現在フラット35は住宅金融支援機構が「逆ざや」状態で商品を提供しているため、利用者にとって非常に有利な状況にあります。

通常、金融機関のビジネスは、預金などで集めた資金の調達コストに利益を乗せて貸し出す「順ざや」で成り立っています。

一方、フラット35は市場の資金調達コストよりも貸出金利の方が低いという民間企業では考えられない状況となっているのです。これは、住宅金融支援機構が国民の住宅取得を支援する公的な組織であり、国からの補助金等があるからこそなせる業といえます。

実際、民間銀行の35年固定ローンは金利が3%を超えることも珍しくありませんが、フラット35は2%台前半で提供されており、この時点で1%近い金利差があります。

さらにフラット35には「子育てプラス」という金利の優遇制度があります。

子育てプラスは家族構成や住宅性能に応じてポイントが加算され、そのポイント数に応じて金利を引き下げる制度です。また、住宅性能に応じて金利優遇される仕組みもあります。

たとえば、夫婦・子ども1人の世帯がZEHの戸建て住宅を購入すると、4ポイントが付与されて合計1.0%の金利引き下げが5年間受けられます。適用金利が2.25%とした場合、当初の5年間は1.25%で借りられることになり、民間銀行の固定金利と比較しても圧倒的な低水準です。

なお、合計ポイントが4ポイントを超えた際は、6年目以降も繰り越したポイントの分だけ金利引き下げが適用されます。

融資手数料が半額に…

また、事務手数料の違いも注目したいポイントです。

フラット35の事務手数料は多くの銀行で借入額の2.2%(税込)とされていますが、三井住友信託銀行(0.99%)や楽天銀行(1.1%)、イオン銀行(1.87%)など一部の銀行では手数料を引き下げています。

仮に5000万円を借りる場合、2.2%なら110万円の手数料がかかりますが、1.1%なら55万円で済みます。これだけでも50万円以上の差が出るため、金利だけでなく初期コストも比較してみてください。

さらに2026年3月からは、借り換え制度も拡充されています。先ほど紹介した「子育てプラス」はこれまで新規借り入れのみを対象とした優遇制度でしたが、今回の拡充により借り換えでも利用できるようになりました。

フラット35に借り換える際には借入期間を延ばすこともできるため、毎月の返済額を抑えながら固定金利へ切り替えるという選択も可能です。「金利上昇のリスクを受け入れられない」という方にとって、こうした選択肢がひとつ増えたのは嬉しい変化ではないでしょうか。

ただし、固定金利で借り入れた場合であっても定期的な借り換えの検討は必要です。経済情勢や政策の見通しは常に変化します。マクロ経済の状況によっては将来的に再び低金利環境が訪れる可能性もゼロではありません。

ひょっとしたら、今後より低い固定金利の住宅ローンが出るかもしれません。手数料などのコストも含めて総返済額が減るのであれば、ぜひ借り換えも検討すべきです。

「固定金利だから一生安心」と決めつけず、経済情勢に合わせた柔軟な見直しを常に念頭に置いておきましょう。

構成/椿慧理

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