3代目のセダンスタイルから大きく変貌と遂げた4代目となる新型「インサイト」

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新型「インサイト」の復活とその位置づけ

 ホンダは2026年3月5日、新型「INSIGHT(インサイト)」を2026年春より発売すると発表しました。

 ホンダのハイブリッド車を代表するモデルとして名を刻んできたインサイトが、今度はバッテリーEV(BEV)として復活します。

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 初代インサイトは、量産型ハイブリッド車として世界初となったトヨタ「プリウス」の対抗馬として登場しました。

 後輪をリアホイールスパッツ(リアホイールスカート)で覆い、新骨格のアルミボディを採用するなど徹底した軽量化と空力性能を追求。ホンダの高い技術力を示す“走る実験車”ともいえる存在でした。

 しかし、3ドアクーペという車型は話題を集めた一方で、幅広いユーザー層の獲得には至りませんでした。

 2代目は5ナンバーサイズの5ドアハッチバックへと転身し、世界で26万台超を販売するヒット作となります。

 3代目は3ナンバーサイズの4ドアセダンへと進化し、室内や荷室を大幅に拡大しましたが、日本を含むセダン市場の縮小も影響し、2022年12月に国内販売を終了しました。

 そして、3代目の販売終了から約3年半を経て2026年春に発売予定の4代目インサイトが先行公開されました。

 パワートレインの詳細は明かされていませんが、新型はバッテリーEV(BEV)として登場します。

 日本向けホンダ車として初めて航続距離500km以上を実現した乗用EVであり、急速充電は約40分で完了するとされています。

 ハイブリッドの象徴であったインサイトの名が、ついにEVへと受け継がれることになります。

 新型はクロスオーバー風のハッチバック形状を持つアッパーミドルクラスのEVで、2027年度に始動予定の次世代EV「Honda 0」シリーズへとつなぐ“橋渡し役”を担います。

 開発責任者の小池久仁博氏は、その狙いを「飛び抜けすぎず、埋もれすぎず」と表現しています。

 いきなり先進的な0シリーズを投入するのではなく、現在主流である内燃機関車(ICE)からの自然な移行を促すモデルという位置づけです。販売は日本市場を見据えた3000台限定となります。

 なおベース車は、中国市場向けCセグメントクロスオーバーのホンダ「e:NS2(左ハンドル)」。これを右ハンドル化し、日本の法規や充電規格に対応させています。

 基本的な内外装デザインは共通です。なお、給電機能(V2L)には対応しますが、V2Hには現時点で未対応とされています。

 プラットフォームは、日本向け「ヴェゼル」(中国仕様に近い)をベースとしつつ、全長やホイールベースはそれよりも長く、Dセグメントに近いサイズ感になります。

 中国市場ではセダン需要が主にタクシー用途に限られ、一般ユーザーはSUVやクロスオーバーへ移行している背景もあり、ハッチバック形状のクロスオーバーとして開発されました。

 ホンダは軽・コンパクトクラスに続き、より市場規模の大きいアッパーミドルクラスへ参入します。2026年度投入予定の「Super-ONE」とともに、ホンダEVの認知拡大を図る狙いです。

 想定するメインユーザーは、50代以上の独身層や子育てを終えたポストファミリー層。また、「他人と同じクルマには乗りたくない」というこだわりを持つ層への訴求も意識しています。

 2026年度はCEV補助金が最大130万円へ拡充される見込みであり、新型インサイトも同程度の補助対象となる見通しです。これも販売の後押しとなりそうです。

 グレードは単一設定。ボディカラーは「ダイヤモンドダスト・パール」「クリスタルブラック・パール」「アーバングレー・パール」「オブシディアンブルー・パール」、そして日本向け新色「アクアトパーズ・メタリックII」が用意されます。

デザイン・室内空間・快適装備と走行性能に注目!

 エクステリアは、ホンダらしいクリーンでシャープなデザインが特徴です。未来の乗り物を表現したというワイドなフォルムに、鋭さを感じさせる造形と前後を貫くシャープな立体ラインを組み合わせ、EVらしい先進性を演出しています。

 フロントには発光する「H」エンブレムを中央に配置し、それを貫くようにポジションランプ兼デイタイムランニングライトを横一文字にレイアウト。

 ロービーム、ハイビーム、アクティブコーナリングライトはその上部に配置されています。

 リアは横基調のテールランプが左右をつなぐデザインで、ストップランプやターンシグナルランプを一体化。バックランプは下側左右に配置されています。

新型「インサイト」のインテリア

 インテリアはパッド素材を多用し、包み込まれるような上質空間が印象的です。標準のブラック内装(ブラックシート/ホワイトルーフ)に加え、EC専用のホワイト内装(ホワイトシート/ホワイトルーフ)も設定。

 アップライトな着座姿勢により視界を確保しつつ、後席足元空間も十分に確保されています。

 インパネはシンプルかつ上質な造形で、大型ヘッドアップディスプレイ(HUD)を中心とした最新のHMI(ヒューマンマシンインターフェース)を採用。HUD主体の情報表示により視線移動を最小限に抑え、メーターはインパネに溶け込むような薄型デザインとなっています。

 中央には12.8インチの大型センターディスプレイを配置。エアコン吹き出し口はインパネと一体化したデザインで、ステアリングには視界を妨げにくい楕円形状を採用しています。

 身長170cmの乗員が着座した場合、前席は頭上にこぶし1つ強、後席は約1つ分の余裕があります。

 後席の膝前空間にはこぶし約3つ分のゆとりがあり、前席下への足入れ性も良好です。後席は26度のリクライニングが可能です。

 EVならではの高い静粛性も特徴で、ホンダ初の「インテリジェント・ヒーティング・システム」を搭載。

 温風と輻射熱を組み合わせることで静粛性を高めつつ乾燥を抑え、省電力と快適性を両立します。ドアパネルやインパネ両側も温められ、室内全体で暖かさを感じられる設計です。

 さらにBOSEオーディオ、最大3本のアロマを装着できる専用アロマディフューザー、10色のアンビエントライトなども用意。快適性と上質感を高めています。

 センター部には、オープン/クローズの切り替えが可能な「フレキシブルコンソールボックス」を装備。

 クローズ時にはサイドウォークスルーも可能です。格納式カップホルダーやワイヤレス充電、USBソケットも備えています。

 ラゲッジは上下2段調整式ボードを採用。上段では29インチスーツケース2個またはゴルフバッグ2セット、下段ではそれぞれ3個/3セットの積載が可能です。後席を倒せば長尺物にも対応します。

 パワートレインの詳細は未公表ながら、内燃機関車に匹敵する走りの楽しさを目指しています。

 ドライブモードは4種類を用意し、スポーツモードではエンジン音を模したアクティブサウンドコントロールにより高揚感を演出するとのことです。

 ハイブリッドの象徴からEVへの進化を遂げた新型インサイトは、次世代EVへの架け橋として新たな役割を担います。