竹内涼真×原作ものはなぜ相性がいい? 『再会』『10DANCE』『あんたが』などハマり役続く
1月13日から火曜9時枠でスタートした『再会~Silent Truth~』(テレビ朝日系)。主演を務めるのは、今もっとも勢いのある俳優のひとり、竹内涼真だ。2025年10月期に放送された『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)や、昨年末にに配信された『10DANCE』(Netflix)が記憶に新しい話題の俳優だ。振り返れば竹内の出演作には原作ものが多く、本作『再会~Silent Truth~』も第56回江戸川乱歩賞を受賞した横関大の小説『再会』を原作としている。
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近年の竹内涼真を語るうえで、原作作品との相性の良さはもはや無視できない要素となっている。その理由として挙げたいのが、彼の持つ「熱量のコントロール」と「人としてのリアルさ」だ。『再会~Silent Truth~』で見せている佇まいも、まさにその延長線上にある。本作で竹内が演じるのは、地元で起きた事件を複雑な立場から追う刑事・飛奈淳一。『じゃあ、あんたが作ってみろよ』で見せたような分かりやすい熱血タイプとは異なり、感情を内側に抱え込みながら、ときおりその輪郭が滲み出てしまう人物。外へ向かって燃え上がるのではなく、内側で静かに燃え続けているようなタイプと言えるだろう。
『再会~Silent Truth~』における竹内の芝居は、決して声を荒らげるわけでも感情を誇張するわけでもない。それでも物語が進むにつれ、観る側は彼の演じる人物の選択や感情を自然と信じてしまう。些細な目線の動きや手足の使い方によってキャラクターの内に宿る“熱”を表現し、それが「人として存在している」というリアルさへとつながっていく。
竹内涼真は、感情の振れ幅を恐れず、役が抱える熱を一度しっかりと引き受ける俳優である。そして、その熱が無理なく立ち上がるための「人としての地盤」を、丁寧に作り上げていく。だからこそ彼の演じるキャラクターは、強い感情を抱えながらもどこか現実の延長線上にいるように感じられる。
■竹内涼真の現実離れした熱量と身体性はなぜリアル? とりわけ『10DANCE』ではダンスという極めてフィジカルな表現を通して、感情の高まりを身体ごと解放していく役どころに挑んだ。本作で、竹内が演じた鈴木信也は、ラテンダンスの日本チャンピオンという設定を持つ、熱量の塊のような人物。怒りのパワーも、踊ることの純粋な楽しさも120%表現する男だ。竹内はその熱量を一切引かず、まっすぐに演じきった。感情が先に立ち、身体がそれに引っ張られていく。そのプロセスを、観客が直感的に理解できる演技だったと言える。技術的な巧さ以上に、「この人物は、ここまで本気で生きている」という説得力だった。熱量を持ったキャラクターを絵空事にしないための地盤として、彼の“人としてのリアルさ”が確かに存在していた。
こうした身体性は、近年の竹内涼真のビジュアルとも無関係ではない。『再会~Silent Truth~』の会見で「身長が187cmに到達した」と明かしたことが話題になったが、そのスケール感は、もはや現実とフィクションの境界を曖昧にするレベルに達している。長い手足や直立したときの存在感は、確かに2次元的だ。しかし不思議なことに、それが作品世界から浮いてしまうことはない。むしろ、その“2次元的な強度”が、強い熱量を宿した役柄を成立させるための「器」となっているのだ。
竹内涼真と原作ものの相性の良さは、現実離れした設定や感情を、無理に現実へ引き寄せない点にある。人としてのリアルさを手放さないまま、感情の熱を削がずに演じる。そのバランスを保てるからこそ、原作キャラクターが持つ過剰さや理想性は、違和感ではなく魅力として立ち上がる。『再会~Silent Truth~』は、そんな竹内涼真の現在地を静かに示す作品といえる。現実離れした設定をも現実として信じ込ませ、キャラクターが持つ感情の熱を、まっすぐに観る者へ届ける。その演技力こそが、彼が原作ものにおいて“ハマり役”を重ねてきた最大の理由なのだろう。(文=結理乃)

