まもなく受験シーズン。子どもの進路や将来について頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか? 子どもの希望した進学先などに「本当にそれでいいの?」と不安に思うこともありますよね。ですが、多数の教育機関と連携しながら子どもの未来のサポートと研究を行っている「いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所」によると、子どもの進路は本人の意思を尊重するのがいちばんなのだそう。詳しく教えてもらいました。

※ この記事は『自立した子どもになるための やらない子育て』(扶桑社刊)より一部を抜粋し、再編集しています。

自分で決めるからこそ、選択に責任が持てる

「制服がかわいいからこの中学校にする!」「学園祭が楽しかったから、この高校がいい」。親からしたら「そんな理由で(!)」という内容で、子どもが志望校を決めることがあります。

つい、校風や進学率、就職率、偏差値などを吟味して決めてほしいと口出ししたくなりますが、子ども本人の意思を大事にするのがベストです。

親の意見が入れば、「親のせいで行けなかった」という悔いがこの先ずっと残ります。また、進学した先で困難に直面したときも、「親が決めたからこんなトラブルが」と責任転嫁しがちに。

うまくいかないことが起こるたびに、「自分で決めなかった」という後悔と結びつけてしまう可能性があるのです。

一方で、自分で決めた道には、自らが責任を負う覚悟が生まれます。自分で選択したからこそ、困難を乗り越える力と強さがわいてくるのです。

親の予想とは違う道を歩むことは、成長した証

また、職業についても「YouTuberになる」「起業する」「フリーランスで週3日しか働かない」などと子どもが言い出すと、心配して反対する親もいると思います。また、親が自分と同じ職業を推奨するケースも。

ですが、いずれも「親の期待こそが自分のすべき正しい選択」と、子どもに勘違いさせてしまう場合があります。

子どもが親と違うものを好きになり、親とは違う価値観を持って別の道に進もうとすることは、親の想像を超えた別人格の人間が育ったということ。むしろ、「子育て大成功!」と誇りに思っていいことです。

●野球少年の密かな「悩み」

ある野球好きの少年がいました。お父さんが野球の監督をしており、本人も実力があり地域のクラブチームに所属。しかし彼は、競争をするより「学校の部活で楽しく野球がしたい」と思いながらも、「お父さんに言ったらがっかりするだろうし、怒られるかもしれない」と、本当の気持ちを言えずに苦しんでいました。

その悩みをコーチングの場で打ち明けてくれたので、コーチはどうすればお父さんに気持ちを伝えられるかを一緒に考えました。

数か月後、彼はようやく本心を話すことができ、お父さんも納得。コーチングを終える日、彼は「自分で親に正直に話せたこと、自分の道を自分で決められたことが本当によかった」と涙ながらに語ってくれました。

また、幼い頃からずっと医者になるように諭され成長した青年が、大学入試の共通テスト直前で「医者にはならない」と父親に伝えたという話もあります。

社会に反していたり、だれかを傷つけたりすることでない限りは、子どもの選択を信じ、子どもに選択の責任をもたせること。そうすることで、だれのものでもない自分の人生を、自分の力で、勇ましく歩んでいけるのだと思います。