5─8月のライブドア・ニュースを飾った話題のトップ(編集:吉川忠行)

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1─4月のトップ語録をピックアップした(上)に続き、今回は5─8月編。株取引をめぐる捜査当局のメスはついに「モノ言う株主」こと村上ファンドに入る一方で、大手企業では合従連衡(がっしょうれんこう)を模索する動きが活発化し始めた。また、市場での注目銘柄や各企業トップの顔ぶれが一新し、「会社とは」「株主とは」という根源的な問いに経営者が真摯(しんし)に答える姿勢が目立った。

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「ネットの世界も相当成熟化してきており、大人の世界になりつつある」── 三木谷浩史・楽天会長兼社長 (5月9日 1─3月期決算会見で)

「人の上に立つ人間は私心があってはいけない。使命感をモチベーションとして携わる人だ」── 御手洗冨士夫・キヤノン会長兼社長=当時 (5月11日 後任の内田新社長について発表記者会見で)

「プロ中のプロとして、罪を認め、反省する必要はある」── 村上世彰・前M&Aコンサルティング代表 (6月4日 逮捕直前の記者会見で)

「思い切った改革が必要で、一時的には赤字も覚悟するぐらいの大きなことをせざるを得ない。そのリスクを、5万人を超える株主に理解をしてもらうことは難しい」── 横川竟・すかいらーく会長 (6月8日 国内最大のMBO発表の会見で)

「エレベーターの整備に必要な情報の社外への積極的な提供や、技術講習は実施していなかった」── ケン・スミス シンドラーエレベータ社長 (6月12日 死亡事故を受けた記者会見で)

「本当にど素人で(詳細な契約内容を)覚えていない」── 福井俊彦・日本銀行総裁 (6月22日 村上ファンド拠出問題で衆院財務金融委員会の参考人質疑で)

「競争で頑張って、優れたものが勝つのがいいのだと手を叩いてくれる社会情勢にはなっていない」── 宮内義彦・オリックス会長 (6月16日 世界経済フォーラム・東アジア会議で)

「今の時代に学歴は関係ない。学歴がないから駄目だと思っている人はいると思う。(中卒の)岡村がやれたんだから自分もできると思ってほしい」── 岡村陽久・アドウェイズ社長 (6月20日 史上最年少の26歳2カ月でマザーズ上場を果たして)

「(村上ファンドから)株主価値向上と言って様々な提案があったが、うまい話にはとてもならないようなものばかりだった」── 西川恭爾・阪神電気鉄道社長=当時 (6月29日 阪神として合併前最後となる定時株主総会で)

「窮地は脱したが、危機は続くという緊張感は、これからの電機メーカーの経営に不可欠」── 大坪文雄・松下電器産業社長 (7月7日 社長就任会見で)

「GMがなんでああ(業績悪化)なったのか。大きくなることが脅威になるとは考えられない」── 福井威夫・ホンダ社長 (7月13日 日産・GMの提携交渉について記者団に)

「(相次ぐリコールは)技術力や製造の力が落ちているわけではない」── 渡辺捷昭・トヨタ自動車社長 (7月20日 年央会見で)

「(同社の拠点地域で1964年に起きた)新潟地震を経験してから臥薪嘗胆(がしんしょうたん)の思いで42年間頑張った自負がある。企業文化として『自主独立』の精神が脈々と受け継がれている」── 三輪正明・北越製紙社長 (7月24日 王子製紙に敵対的TOBの撤回を求めた記者会見で)

「間違ったことをやらない清らかなベンチャーとして、きちっと見本になって欲しいと言うメッセージを東証から託された」── 小池聡・ネットエイジ共同CEO (8月24日 東証での上場会見で)

【了】

■LDニュースが追った“戌の遠吠え” トップ語録2006
(上) 1─4月編
(下) 9─12月編