元ジャニーズ事務所社長の藤島ジュリー景子氏(C)日刊ゲンダイ

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 10月20日に放送された『NHKスペシャル ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像』はやはり“禊(みそぎ)”だったのか。今年の『紅白歌合戦』は2年ぶりに、旧ジャニーズで現在はSTARTO ENTERTAINMENT社に所属するアーティストが複数出演するらしい…と様々なメディアが報じている。

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 旧ジャニーズの“復活”と共に注目を集めているのが、元ジャニーズ事務所社長の藤島ジュリー景子氏(58)の“復権”の動きだ。10月16日(現地時間15日)、7人組アイドルグループTravis Japanの全6都市で開催された初のワールドツアーがニューヨーク公演で幕を閉じた。12月4日に予定されている2ndアルバム「VIIsual」「VIIsual-Global Edition-」(全英語詞)のリリースに先駆けて華々しいスタートを切ったはずだったが、グループの背後に“育ての親”のひとりであるジュリー氏の影がチラついている。今月15日(現地時間14日)に米ロサンゼルスで開かれた公演で、ジュリー氏の目撃情報がSNSに多数アップされ、それを複数のメディアも報じた。

「ジュリー氏は故ジャニー喜多川氏による連続児童性加害問題で社長の座を退きました。昨年5月の会見で叔父のジャニー氏の性犯罪について謝罪した際、被害者への補償とタレントの心のケアに専念し、それ以外の業務に関わらないことを約束したはず。それなのに、ジュリーさんが来場したとすれば、STARTO社に社名を変え、福田淳氏がCEOとしてタレントのマネジメントを引き継ぐことで一新することを表明した今もなお、旧ジャニーズ事務所創業家の息がかかっていることを意味します。しかも、東山紀之社長が引き継いでいるスマイルアップ社の補償問題は現在も続いていて、ジュリーさんが訪れたロス公演はこの第3回調停が行われた翌週でした」(芸能関係者)

■米現地でTravis JapanはB級ニュース扱い

 さらに驚かせたのが、スポーツ各紙がTravis Japanの“初のワールドツアー完走”を横並びで一斉に報じたことだ。記事を読むと、STARTO社が出したオフィシャルリポートを記事化したことが伝わる。さらに民放や旧ジャニーズ事務所と昵懇だったニュースサイトもこぞって取り上げた。

 一方、米現地メディアでこの話を扱ったのは、FOX13 Seattleのみ。同局にはメンバーが出演し、オンラインではその動画が見られ、全米デビューの経緯や12月のアルバム発売情報も記事化。米版Yahoo!newsもこれを転載したが、現地ではGoogleほどの需要はない。他にも日系メディアのNews On JapanなどがFOX13の動画を転載する形で取り上げたものの、タイトルと3行の動画紹介文を加えた簡単なものだった。

 ちなみに、報道の素材となったFOX13とは、米大手テレビ局FOX放送と提携している地方局6局を指すもので、FOXとは別物。Travis Japanの全米デビューのきっかけとなったオーディション番組「world of Dance Championship Series」の放送局NBCでもこのニュースは扱われなかった。

 米ニューヨーク在住のテレビ局関係者は言う。

「アメリカでTravis Japanの反響を感じることはありません。日本国内でそれほど話題になっているのは、旧ジャニーズ時代からの引き続きのファンと、やはり日本メディアの扱いだと思います」

 ジュリー氏は米国でTravis Japanのプロモーションではなく、宣言通り、被害者への補償と心のケアに専念すべきではないか。
 
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