木星に不気味な顔、現る。探査機ジュノーが撮影
2023年11月2日の記事を編集して再掲載しています。
3日遅れて、木星からのハッピー・ハロウィン!
NASAの探査機「ジュノー 」は先月、巨大ガス惑星である木星の表面に人面のように見える領域を発見。その画像が公開されました。
2016年7月に木星の軌道に到達したジュノーは木星の荒れ狂う大気、気候、そして衛星を研究しています。しょげたような表情が撮影されたのは2023年の9月7日、ジュノーの54回目の木星フライバイ(接近観測)の時でした。
今回の画像は、ジュノーに搭載されているカメラJunoCamで上空およそ7700kmから撮影した木星のRAW画像データを元に、市民科学者のVladimir Tarasovさんが作成したもの。元の画像は、JunoCamのRAW画像を一般公開しているライブラリで見ることができます。
ジュノーはこのところ大忙しで、10月中旬に木星の衛星イオにフライバイを果たした際の画像はNASAが既に公開。また他の宇宙機も太陽系最大の惑星である木星を観測していて、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が木星大気の高速ジェットを発見したばかりです。
撮影した領域はJet N7と呼ばれており、木星の北緯約69度に位置するそう。この画像には木星の明暗界線(同惑星の昼側と夜側の境界線)も写っていて、暗い表情は昼側に現れています。
直近でJet N7にジュノーが接近したのは2023年5月で、過去にも観測したことがあります。しかし今回はその領域がまるで人の顔、それも少し歪んでいる表情に見えたのでした。
木星表面の対流や渦がうまい具合にうねって眉や鼻、どんよりとした暗い瞳を形作っており、への字口に見える雲まである。偶然の産物とはいえ、ここまで来るとお見事です。
今回の画像のように、全く別の構造が顔のような模様に見えてしまう現象を「パレイドリア現象」と言います。2020年には欧州の探査機が火星の砂丘で捉えた天使に見えるシルエットや、その前の年に幽霊もしくはC-3POの顔みたいに見えるとコメントがついた相互作用銀河なんかもその例です。