『ジョンニョン:スター誕生』(C)2024 STUDIO DRAGON CORPORATION & CJ ENM Co., Ltd.

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新作大豊作のこの秋。何を観ようかな…とお迷いの人も多いはず。そこで!本記事では、視聴率爆上がり!本国で「ハマって抜け出せない」と話題の、この秋観たい最旬韓国ドラマ3選をご紹介します。今期は忖度もお世辞も抜きに、名作が大豊作なので、見逃し厳禁です!

【写真】大変身!狂気の“チョン・ソジン”が崖っぷちの主婦に

■『ジョンニョン:スター誕生』

【見どころ】
まだ観てないという人がいたら、今すぐ観ていただけませんか…と全力でお頼み申したいほど、序盤から名作の香りしかしないのが『ジョンニョン:スター誕生』。「韓国芸能関係者が選ぶ2024年TVドラマ期待作」で1位に挙げられていたので、めちゃくちゃ期待していたのですが、これがもうその期待をも遥かに超える面白さで…!ひっさしぶりに序盤から文句のつけようがない超大作誕生に、実は超荒ぶっているのを抑えきれない筆者ですが、できるだけ冷静にお伝えします(笑)。

こちら、今韓国でどのくらい話題かと言いますと、1話で4%台だった視聴率がたったの4話で12.7%まで爆上がり(今後も上がり続けそう!)。地上波を含む全チャンネル同時間帯1位を記録したのはもちろん、話題性調査でも2週連続1位を占めるという、今シンドローム級にHOTなドラマなんです。

本作は、1950年代を舞台に、天性の美声を持った少女ジョンニョン(キム・テリ)が、表現力を武器に、女性だけで構成された“女性国劇”(歌・舞踊・演技が一体となったミュージカルのような舞台)のスター女優へと駆け上がる感動のサクセスストーリー。

超田舎の町で、姉とアサリを掘り、魚を売って暮らしていたジョンニョンが、国劇の男役スターであるオッキョン(チョン・ウンチェ)の目に留まり、一発当てて国劇のスターになるため上京する…という日本で言うところの朝ドラ的な物語。

あのキム・テリが3年間歌の練習をしながら愛情を注いだ作品とあって、彼女の努力が滲む力強い歌声に、序盤から心震えてしまいます。そして、それがまたキム・テリだけじゃないのが凄くて。シン・イェウン、チョン・ウンチェ、彼女たちの魂の歌声と迫真の演技に、心を鷲掴みにされて、もう2話あたりで確信してしまいました…。これはすごい名作になると…。

特に国劇公演のシーンはもう俳優陣全員の気迫が凄まじくて…。しばらく脳裏に焼きついて忘れられませんでした。同時に“国劇”という難しい題材ゆえに、俳優陣の凄まじい努力がひしひしと伝わってきて、その俳優魂に感動して、心が震えて、涙が出てくるという…。こんなドラマほかにあります…?

ジョンニョンの下剋上魂に心震えつつ、姉妹愛とアツい友情に号泣させられ、そして男役スター・オッキョン先輩のあまりのかっこよさにどよめいて、1時間があっという間!息つく間もないとはこのことです。すでに「え?12話構成?終わるの無理!」になっているオタクがここにいます(笑)。

来年の「百想芸術大賞」はジョンニョンが席巻するんでは?そんな香りがぷーんぷん香ってきてます!絶対に観なきゃ損!な、この秋必見の一作です。

▼配信情報
『ジョンニョン:スター誕生』
ディズニープラス スターにて独占配信中

■『貞淑なお仕事』

【見どころ】

こちら、日本ではNetflixTOP10にも入っておらず無風でございますが、韓国ではNetflixでは連日1位になっていて、これがまた面白いんですよ。本作は、性がタブーとされていた1992年のある田舎町、人生崖っぷちの主婦が仲間3人と生きがいと自立、チャンスを求めてアダルトグッズの訪問販売に乗り出す“訪問販売シスターズ”4人組の奮闘を描く物語。

はちゃめちゃにコメディチックな予告が出た段階から「絶対おもろいやん…!」と、思わず声が出てしまった本作。かなりコメディ色が強いのかなと思いきや、ふたを開けてみたらこれがめちゃくちゃ上質なヒューマンドラマで。女性の自立とか、母の愛とか、熱き友情とか…これもう後半絶対号泣させられるやつやん…と思っていたら、3話時点で大号泣させられました。

時代も時代なので、“アダルトグッズ”を売ることで周囲から卑猥(ひわい)だとか罵られ、家族からも大反対される一方で、このアダルトグッズが女性の“自立のシンボル”だったり、“自信を取り戻すアイテム”になっているのもまた深くて…!誰かのためじゃなく「自分のために着るの」という言葉にハッとさせられることも。理不尽な出来事で傷ついても、手を取り合って立ち上がる、シスターフッド作品はやはり絶大なパワーをもらえます。

しかも本作!キャストがまた最高なんです。『ペントハウス』シリーズでUSBを食べていた(笑)、狂気のチョン・ソジン姉さんのイメージが脳内に焼きついて離れないキム・ソヨンが、今回は、超薄化粧で耐え忍ぶ女性を演じてるのが新鮮で…!超大真面目にアダルトグッズの使用レポとかやり出す姿に爆笑しつつも、グッと感情移入させられる、流石の演技力に感嘆してしまいます。

ほかにも、『愛の不時着』や『椿の花咲く頃』など名作には欠かせない“バイプレイヤーの神”キム・ソニョン、『こうなった以上、青瓦台に行く』のキム・ソンニョン、『紳士とお嬢さん』のイ・セヒと超ぜいたくキャスト!

さらに『七日の王妃』や『39歳』で、優しい眼差しと余裕ある大人な雰囲気で魔法をかけてきたヨン・ウジン様まで出演してるとか最強では…?最強のキラースマイル健在で、現れた瞬間から恋の予感です(私が)。

なにやらサスペンスの要素も持ち込んできたので、これまた毎週の配信が楽しみになりそう…!本国ではテレビ放送してるのが驚愕(きょうがく)なほど、わりと攻めているので、絶対におひとりで観ることをおすすめします(笑)。

▼配信情報
Netflixシリーズ「貞淑なお仕事」独占配信中

■『私のヘリへ〜惹かれゆく愛の扉〜』

【見どころ】
韓ドラオタの中で、序盤からすでに大きな話題となっていたのが、『私のヘリへ〜惹かれゆく愛の扉〜』。『二十五、二十一』のチョン・ジヒョン監督と『天気がよければ会いにゆきます』のハン・ガラム脚本家と、もう“繊細系エモロマンス”好きにはたまらんタッグ!さらに『哲仁王后〜俺がクイーン!?〜』や『サムダルリへようこそ』のシン・ヘソンが主演のヒューマンロマンスというだけでかなり期待値が高かったんですが、その期待を遥かに超える彼女の神がかった演技力に序盤から魅了されるとともに、ストーリーの斬新さと完成度の高さに、これはまた凄い作品がきたぞ…と、おののいております。

テレビ局のアナウンサーであるチュ・ウノ(シン・ヘソン)と、トラウマを抱えていたことを隠している彼女の同期で元恋人のチョン・ヒョノ(イ・ジヌク)が繰り広げるロマンスドラマなんですけど、ここだけ見たら元恋人とのよくある復縁系恋愛ドラマじゃないですか。

でも本作が斬新なのはここから。主人公ウノは、長く交際していたヒョノとの別れのショックから「解離性同一性障害」になってしまっていて、その新たな人格“ヘリ”もまた、ジュヨン(カン・フン)という男性と恋をしてるわけなんですよ。

なので実質男性主人公は、ヒョノとジュヨンの2人。だけど“ヘリ”はウノの中に実在するけれど、身体はヘリのもので、いつ消えるかわからない不確かな存在なわけです。しかもどちらかといる時にもう片方の男性に目撃されてしまえば、二股かけてたのかよ…?となる状況。この、ほかのドラマにはなかなかない複雑な恋愛模様が超新鮮で、気づいたら「もう10話?え…?」になります。確実に(なりました)。

“ヘリ”の恋のお相手で、恋愛経験ゼロの優等生アナウンサー・ジュヨンを演じているのが、『赤い袖先』で注目を浴びたカン・フンなんですが、真面目で冷静ながらどことなくセクシーなキャラがハマりまくっていて、軽率に沼りかけています…。しかも現れては消える不確かな存在である“ヘリ”への強い想いに、胸がぎゅーんと切なくなってしまう。

かと思えば、イ・ジヌクはイ・ジヌクで、強烈な目力と大人の魅力で振り回してくる上に、ヒョノの事情が明らかになる頃には、どっぷり彼に感情移入して、幸せを願わずにはいられないわけです。もうこれ、感情が忙しすぎません…?

エモい情景と詩的なセリフ、意味深な場面など、観る人によってさまざまな解釈や感じ方ができるのも本作の奥深さ。そして別人格を生み出してしまうほどの心の傷や哀しみに、どのように向き合って、乗り越えていけばいいのか。答えは出ないけれど、ウノをはじめとする登場人物たちが懸命に幸せを探す姿と、心に響く数々の名せりふを通して、すっと気持ちが軽くなるような、大人の心に染みわたる一作です。

▼配信情報
『私のヘリへ〜惹かれゆく愛の扉〜』 U-NEXTで配信中