【運動科学者が教える】太もも・腰まわりの筋肉がしなやかに! レフ筋トレ「TSスクワット」の全手順(2)

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引き続き、高岡英夫氏が開発した「レフ筋トレ」の1つである「TSスクワット」を紹介する。0(ゼロ)ポジションをつくることができたら、いよいよ本格的にスクワット運動に入るが、大切なのは、とにかく正確無比に身体を動かしていくことだ。高岡氏の著書『レフ筋トレ 最高に動ける体をつくる​』​より抜粋・編集してお届けしよう。

【前編】【まずはポジションづくり】上半身・下半身のコーディネーションを高める! 運動科学者が考案した「TSスクワット」の全手順(1)

(3)お尻を浮かせていく

第1ポジションから第2、第3ポジションへ

0ポジションで座った状態から、お尻を浮かせていきます。

このとき、仙骨下端点を後ろへ、仙骨上端点を前へ突き通すつもりで矢印のような線をイメージしましょう。この矢印のようなイメージをもつことを「ベクトルをかける」と呼びます。仙骨は前に傾いていき、仙骨から腰椎にかけてが反り気味になります(このような意識操作を仙骨リード[リード=主導の意味]といいます)。

腕で上体を支えたまま、体幹は前方へとせり出しますが、このとき仙骨から腰椎にかけての部分が丸まらないように、仙骨リードを維持しましょう。

座面からお尻が3cmほど離れた状態まできたら、それが「第1ポジション」です。

さらにお尻を上げていき、前腕を立てます。これが「第2ポジション」です。そこから上体を起こし、膝関節を伸ばした状態が「第3ポジション」です。

胸点、額点は後ろ方向にベクトルをかけておきます。仙骨下端点、上端点は、仙骨が水平に近いところまで前傾しているので、下端点は天井方向、上端点は床方向にベクトルがかかる仙骨リード状態です。

このときに仙骨から腰椎が丸まらないようにしてください。

(4)第3ポジションからスクワット開始

簡単に言うとTSスクワットとは、第3ポジションからスタートし「第3→第2→第3」とポジションを変える運動です。第3ポジションの状態ができたら、「通るように、通るように」と言いながら第2ポジションまで下降していきます。

胸点と額点を後方にベクトルをかけながら、仙骨下端点を斜め後ろ上方、仙骨上端点を前斜め下方にベクトルをかける仙骨リードで、第2ポジションに向かいます。

第2ポジションに至ったら、「通るように、通るように」と言いながら上昇して第3ポジションに戻ります。ここまでを1回とします。

5回から10回が1セットです。5回1セットから始め、筋力に自信のある人は10回を1セットにするといいでしょう。

(5)第4ポジションで終わる

5回〜10回を1セットとして、それが終わったら上体を伸ばしきり、直立した「第4ポジション」の状態になります。

2セット目に移るときは、また0ポジションに戻り、第1→第2→第3の順で第3ポジションをつくってからスクワットを行いましょう。

とにかくレフに筋肉を使うのが大事なので、はじめは「5回=1セット」で2〜3セットをていねいに行うことをおすすめします。

すべてのプロセスで美しいシルバーの地芯上空6000kmに乗って上昇・下降運動を続けることが最も大切です。

TSスクワットに期待できる効果

全身の脱力緩解が進むなか、主働筋である大臀筋、ハムストリングス、大腿四頭筋、腰背部の各筋群などが、力みと無駄な硬縮をとる方向で鍛えられるという効果が得られます。

さらに、腕・肩の筋力が四足動物に近い構造で参加することで、脊椎系の筋骨格を通した、上半身と下半身の圧倒的なコーディネーション能力が開発されるでしょう。

四足動物の地芯への「乗り」と軸の立ち上げ能力は、私たち人間の能力の遺伝的な“源”になっていますが、その四足動物の地芯乗りと軸の立ち上げの能力が開発されるのです。

【まずはポジションづくり】上半身・下半身のコーディネーションを高める! 運動科学者が考案した「TSスクワット」の全手順(1)