【ワシントン時事】ブリンケン米国務長官は31日、ロシアに派遣された北朝鮮軍部隊が数日以内にウクライナ軍との戦闘に投入されるとの見通しを示した。

 ロシアに派遣された北朝鮮兵約1万人のうち8000人がウクライナと国境を接するロシア西部クルスクに配備されたという。

 ワシントンで開かれた米韓外務・国防担当閣僚協議(2プラス2)後の共同記者会見で述べた。これに先立ち、ウクライナのゼレンスキー大統領も31日に放映された韓国のKBSテレビとのインタビューで、北朝鮮部隊との交戦が「数日以内に起きるとみている」と語っていた。

 ブリンケン氏は2プラス2で、北朝鮮兵の派遣に関して協議したと説明。「われわれが目撃しているのはインド太平洋と欧州大西洋の安全保障が不可分ということだ」と指摘し、同盟・友好国との連携強化を図ると強調した。

 また、北朝鮮の「後ろ盾」である中国に今週、米側の懸念などを伝えたと明らかにした。北朝鮮の行動に歯止めをかけるため、中国に影響力を行使するよう求めたという。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、キャンベル国務副長官らが29日、中国の謝鋒・駐米大使公邸で中国側と数時間にわたり協議した。