豪雨による鉄砲水の被害を受けた車=31日、スペイン東部バレンシア自治州(ゲッティ=共同)

 【パリ共同】スペイン東部バレンシア自治州を中心に同国各地で10月29日に発生した記録的な豪雨による鉄砲水の死者は10月31日までに、少なくとも158人に上った。スペインメディアが報じた。多数の行方不明者がおり、死者が増える可能性がある。欧州メディアは過去50年超で欧州最悪の豪雨関連の災害になる恐れがあると指摘した。

 バレンシア州で155人が死亡。中部カスティーリャ・ラマンチャ自治州で2人、南部アンダルシア自治州で1人が死亡した。バレンシア州では大量の泥水が路上にあふれ、多くの車や住民らが流されたり家屋が倒壊したりした。

 多数の被災者が仮設住宅で避難生活を送り、道路や鉄道などの交通網も寸断されている。

 今回の豪雨について、専門家は気候変動と関連があるとみている。スペインではここ数年深刻な干ばつに襲われ、地面が固くなって雨を吸収できず鉄砲水が発生したと指摘されている。

豪雨による鉄砲水の被害を受けた車=31日、スペイン東部バレンシア自治州(ゲッティ=共同)