自転車のドライバーに11月1日施行の改正道交法を周知した街頭活動=JR平塚駅前

 自転車の危険な運転への罰則を強化する改正道交法が11月1日、施行される。酒気帯び運転に関する罰則が新設されるほか、走行中に携帯電話を注視する「ながら運転」の罰則が強化される。「ながら運転」は携帯電話の普及に伴い増加しており、自転車利用者から「ついやってしまう」との声も聞かれる。これらの行為は重大事故につながる恐れがあるため、神奈川県警は取り締まりと啓発活動を推進し、事故防止に取り組む。

 「懲役刑が設けられるので、運転時は気をつけてください」−。10月31日のJR平塚駅前。改正道交法の施行を周知しようと、県警と湘南ベルマーレサイクリングチームは合同で街頭活動を行い、足早に行き交う人たちに声をかけ、チラシ約600枚を配った。

 平塚市に住む高校2年の女子生徒(17)は「ながら運転」をしたことがあるといい、「携帯電話に着信があれば、つい電話に出てしまう。罰則が強化されると今日知ったので、今後は気をつけたい」と話した。

 自転車の「ながら運転」とは、走行中に携帯電話を手に持って通話することだけでなく、手で持った画面を注視したり、自転車に取り付けた画面を注視したりすることも当てはまる。

 県警交通総務課によると、「ながら運転」が原因の事故は県内で2019年から22年まで1〜7件で推移していたが、23年は11件(通話2件、画面注視9件)と増え、全国でも増加傾向にあるという。

 担当者は「把握しているのは氷山の一角で、実際はもっと多いはず。運転免許を取得していない年少者への指導に取り組みながら、違反の繰り返しや悪質な運転などはしっかりと取り締まりたい」と見据える。