円買いの動き、日銀の年内利上げ観測で ドル円一時151円台=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、円買いの動きが広がった。日銀決定会合で予想通り政策金利が据え置かれたが展望レポートで2025年度の物価見通しについて「上振れリスクの方が大きい」としたことで円買いに反応した。さらにロンドン早朝の植田日銀総裁会見ではこれまでの「時間的余裕がある」との表現を取り下げて、毎回の会合でデータを確認するとしたことが、市場での年内利上げ観測につながった。ドル円は153円台割れから一時151円台まで下落した。ロンドン時間に入ると下げ一服となっているが、152円台後半までの動きにとどまっている。また、欧州株や米株先物・時間外取引が軟調に推移しており、調整色が広がるなかで、米債利回りも低下している。ユーロドルは1.08台半ばから後半へ、ポンドドルは1.29台半ばから1.30付近まで上昇。ドル売りが優勢となっている。リーブス英財務相が、政府には経済成長強化のための更なる計画がある、と述べたことでポンド買いに、ユーロ圏消費者物価速報が前年比+2.0%と前回の+1.7%から上振れたことでユーロ買いに反応する場面もあった。クロス円はドル円とともに振幅しており、足元ではユーロ円が166円前後、ポンド円が198円台に下げ渋っている。

 ドル円は152円台後半での取引。東京午前につけた153.59近辺を高値に、その後は売りに押されている。日銀決定会合での展望レポートで来年の物価見通しに上振れリスクの方か大きいとしたことで153円台割れに。その後の植田日銀総裁会見でこれまでの「時間的余裕がある」との表現を取り下げて、毎回の会合でデータを確認するとしたことが、市場での年内利上げ観測につながった。一時151.92近辺まで安値を広げた。ロンドン勢が本格的に参加してからは買戻しの流れに転じているが、152円台後半までの動きにとどまっている。

 ユーロドルは1.08台後半での取引。東京午前に1.0844近辺まで軟化したあとは、買いが優勢になっている。ロンドン市場では一時1.0875近辺に高値を伸ばしている。ユーロ円はドル円とともに下押しされ、東京午前の166.69近辺を高値に、ロンドン朝方には164.94近辺まで安値を広げた。その後は166円付近まで買い戻されている。対ポンドではユーロ売りが先行も、その後戻すなど落ち着かない動き。10月ユーロ圏消費者物価速報が前年比+2.0%と前回の+1.7%から上昇したことがユーロ買いにつながった。

 ポンドドルは1.29台後半での取引。東京昼前の1.2943近辺を安値にロンドン序盤には1.3000近辺まで高値を伸ばした。米債利回りの低下とともにドル売りが入ったことや、リーブス英財務相が、政府には経済成長強化のための更なる計画がある、と述べたことが買いを誘った。ポンド円はドル円とともに振幅。東京朝方の198.93近辺を高値に、ロンドン朝方にかけては197.19近辺まで下落。その後の買い戻しは198円台前半までとなっている。ユーロポンドは0.8353から0.8382のレンジで売買が交錯している。

minkabu PRESS編集部 松木秀明