『おとなの週末Web』で「大野いと&美山加恋の「おかしなコーヒーのハーモニー」」を連載中の女優・美山加恋さんと、耐熱ガラスメーカー「HARIO」とのコラボレーションが実現。なんと、オリジナルカラーのドリッパーが2024年11月1日に発売されるのです! しかも、きっかけはその連載というからうれしい限り。コラボ実現までの話から、ハンドドリップコーヒーの楽しみ方まで聞いてきました。

きっかけは『おとなの週末Web』の連載!

コーヒーソムリエの資格を持つほどのコーヒー好き女優・美山加恋さん。当サイトでの連載がはじまって1年超。うれしい知らせが飛び込んできた。

耐熱ガラスメーカー「HARIO」とのコラボレーションが実現したという。しかも、世界中のバリスタが愛用する円すい形ドリッパー「V60透過ドリッパー」の象徴「スパイラルリブ」を抽出した、組み立て式のコーヒードリッパー「SUIREN」のオリジナルカラーを手掛けたのだ。

きっかけは、当サイトの連載記事だった。

「テレビ東京さんで『あにレコTV』という番組を7年やってまして、局の近くにある六本木の『HARIOCAFE』さんに通っていました。それもあって、『おとなの週末Web』の連載記事で書かせてもらいました」

その記事を機に、HARIOさんと急接近するわけだが、それ以前から美山さんとHARIOは赤い糸で結ばれていたのだ。遡ること2年前。それは美山さんがコーヒーにハマった出来事がきっかけだった。

「舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に出演した際、毎日駅前のカフェやコンビニでコーヒーを買って行ってたんです。でもそれだけでは1日もたなくて。劇場でも飲めるようにしたいなと思いました」

もともとコーヒー好きでコーヒーを買っていても、すぐになくなってしまう。それなら楽屋でコーヒーを飲める環境を作ろうと決めたのだ。

「スターバックスのソロフィルターというペーパーフィルターを使わないドリッパーで淹れてました。毎日それを使っていたら、隣の楽屋だった高橋ひとみさんが、誕生日プレゼントにハンドドリップコーヒーのアイテムを一式くださって。それが『HARIO』さんの製品だったんです」

美山加恋さん

プレゼントをいただいてからハンドドリップコーヒーの楽しさに気づいた美山さん。次は豆にこだわろうと訪れたのが、劇場近くにあるコーヒー店『豆虎 赤坂焙煎所』。コーヒー豆には産地やブレンドで味や香りに違いがあることを知り、いろいろと購入していくうちにコーヒー沼にハマった。

「日本で一番有名なドリッパーと言ったら『HARIO』さんの「V60」。プレゼントでいただき初めて使ってから1年間、ずっとV60で淹れて、いろんな豆を試してということをやっていたら、『おとなの週末Web』さんでの連載がはじまりました」

それがまさに連載第1回の話。点と線、コーヒーの星座がつながった。

美山さん第1回記事はこちら!

さて、美山さんとHARIOさんを結びつけたキューピットともいえる、女優の高橋ひとみさん。『HARIO CAFE』さんにもよく訪れていることから、コーヒーチケットをいただいた。それにより、お店に訪れる機会が増えたことで、いつしか店長と話すように。そして、連載で記事を書かせてくださいと話をしていたのだ。

連載の美山さん回、第7回目にして『HARIO CAFE』さんを紹介。その縁から、新商品発表会や本社を訪れることに。その際HARIO社の会長とご挨拶をする機会に恵まれ、美山さんがV60を愛用していること、コーヒーへの愛情の深さを知ったことで大盛り上がり。今回のコラボレーションへと進んでいった。

プリキュア、アイカツ、演じてきたキャラがカラーリングの源泉

できあがった美山さんオリジナルカラーの「SUIREN-Karen Miyama-」(3850円)は、アジア最大のスペシャリティコーヒーイベント「SCAJ2024」で初披露された。ピンクと白のカラーリングはまさに可憐のひと言。この色合いには相当こだわったという。

「SCAJ2024」にて

「私が演じてきた『プリキュアアラモード!』の宇佐美いちか、『アイカツ!』の蝶乃舞香を思わせるピンクと紫の間のようなかわいらしい色味を意識しました。

そこに白を合わせたかったので、もともと黒だった台座を白にしていただきました。ピンクと白の2色にして花びらみたいに見えればいいなって」

理想の色を求め、色見本と実物を見ては何度も色調整を重ねた。

「『HARIO』さんが『せっかくの機会なのでこだわってください』と言ってくださり、思い切ってできました」

その結果、納得のいくカラーリングに仕上がった。

「PCT樹脂が透明感のある素材で、ガラスとは違う色の出方をするんです。白でも真っ白じゃなくて、ちょっと透けているような白になる。それに合わせてピンクもちょっと透けているような色味にしました。なかなか透けなくて苦労しましたが(笑)。ピンクと白のバランスも考えたので、ぜひ見てください」

その出来に自身を持てる出来事があった。

「女性でも気軽に手に取ってほしいと思っていたら、『SCAJ2024』の先行販売で女性の方が結構気に入ってくださって。こだわって良かったなと思いました」

カラーリングの細部にまでこだわった美山さん

こだわったのは美山さんだけではなかった。「HARIO」はパッケージにひと工夫を加えた。本来リブパーツと、それを接続するリングと台座のセットが別々で購入できるのだが、本製品は組み立てられた状態で、クリアケースの中にin。まさにお花のような状態で売り場に陳列されるようにしたのだ。

「しかもパッケージや台座にKaren Miyamaと入れてくださって……うれしかったです。このままおうちでインテリアとして飾るのも素敵なくらいの仕上がりになりました。

しかも『SUIREN』は取り外しが可能でポケットに入るくらいのサイズ感になるんです。気軽に外に持ち運べるので、私はドラマの現場に持って行ってます。どこでも使いやすいので初心者にもすごくオススメですし、割れない・壊れないというのも心強いなと思います」

自宅でハンドドリップでコーヒーを淹れたい、でもそんな時間がなくて、ついドリップバッグでサッと済ませてしまうという方は多いだろう。でも心のどこかで、いつかは……という思いを持っているはず。「SUIREN」はそんな方にうってつけのアイテムといえるだろう。

そこで美山さんに、初心者でもできるハンドドリップのおいしい淹れ方を聞いてみた。

深煎り豆を買って「プクーっと」膨らむのを見ればきっと沼る

「まずはコーヒー豆。安定して淹れられるのが深煎りの豆です。粉に向かってお湯を注ぐと、粉がプクーっとふくらんでくる。あれができやすいんです。いっぱい煎られている分、ガスを多く含んでいるからですね。あのプクーっを見るとちょっとテンションが上がって、ハンドドリップが楽しくなってくるかも」

一般的なドリッパーの場合、器具を温めるために一回湯通し(ペーパーリース)をするのだが、「SUIREN」はPCT樹脂でできているため温める必要があまりないという。

「浅煎りとかの豆だとお湯が浸透しづらいことがあるので、多めに湯通しするんです。でも『SUIREN』だったら浅煎りの豆でもそこまで苦にせず、すぐに淹れられると思います」

気になるのはお湯の注ぎ方。のの字に書くといいという話もありますが、さて?

「私が教わった『HARIO CAFE』の店長さんが言うには、ペーパーフィルターにお湯がいかないように注ぐことが重要。粉の内側にお湯が収まっていたらちゃんと豆が抽出されます。ペーパーにいってしまうと、ペーパーから直接お湯が垂れてしまってコーヒーが抽出されないそうです」

聞いている限りでは意外と難しい? と思ってしまうが、そこまで気にしなくていいと美山さんは言う。

「電気ケトルでも注ぎ口の細いものが増えてきました。できるだけ細い方が望ましいですが、なければのの字でなく一点集中で真ん中にお湯を注いでもいいと思います。バリスタの世界チャンピオン、粕谷哲さんも一点注ぎの淹れ方もあるとおっしゃっていたので。ゆっくりお湯を注いで粉がプクーっと膨らんでくるのを見られたら、まずはそれで十分」

まずは「プクーっ」を楽しむことを念頭に置いて、コーヒーを淹れてみるといいだろう。その際「SUIREN」の美しい色の変わり具合にも注目してほしい。

ハンドドリップコーヒーの世界への扉を開けましょう!

「V60のフィルターが白なので、できればそれで合わせてもらえたらうれしいです。お湯を注いだときのピンクの透け具合がきれいで本当にお花みたいに見えてかわいいんですよ。フィルタを置いたとき、お湯を注いだとき、その都度色の見え方が変わってくるので、そこも含めて楽しんでほしいです」

女性でも手に取りやすい美山さんオリジナルカラーの「SUIREN」。「道具さえあればなんでもできるので、とりあえず買ってみるのが大事だと思います」と美山さん。この秋、「SUIREN」でハンドドリップコーヒーデビューしてみませんか。

●美山加恋(みやまかれん)/1996年12月12日生まれ、東京都出身。映画、テレビ、舞台のほか、アニメ『キラキラ☆プリキュアアラモード』では主人公を演じるなど、活躍は多岐にわたる。現在放送中のドラマ『around 1/4(アラウンドクォーター)』(ABC/テレビ朝日系)に出演。

取材/編集部えびす 撮影/松井綾音