生前のメッセージ動画、死亡保険の受取人に届ける無料サービス開始…オリックス生命が業界で初めて
オリックス生命保険は31日、死亡保険の契約者を対象に、生前に撮影したメッセージ動画を預かり、死後に保険金とセットで受取人に届ける無料サービスを始めたと発表した。
遺言としては受け取らないが、メッセージには相続に関する意向を残すことも認める。こうした取り組みは業界では初めてという。
サービスは新規、既存契約者のいずれもが対象。契約者は遺族や友人に伝えたいことをスマートフォンなどで撮影し、専用サイトにアップロードすれば、オリックス生命に預けられる。動画は1分30秒までが目安。預け終えた後に撮り直し、再び預けることもできる。
他の生保会社でも、契約者から手紙や文書を生前に預かるサービスはあるが、動画はなかった。データ容量の大きい動画を長期にわたり預かる保管場所の確保が必要なためだ。オリックス生命はこのほど、データの保管場所を自社で開発できたという。
少子高齢化の加速を背景に、人生の最期を一人で過ごす単身の高齢者が増えている。オリックス生命がサービスの投入前に行った調査によると、保険の受取人に対しては「声や表情が伝わる動画で伝えたい」との意見が多かったため、手紙や文書ではなく、動画を預かることにした。「終活」が浸透する中、動画預かりを通じ、新規顧客の開拓や契約の長期継続につなげる。