ハロウィーン、対策さまざま=「公園を閉鎖」「催しで人寄せ」―自治体苦慮・きょう本番
31日はハロウィーン本番。
各地で例年多くの人が集まり混乱も生まれる中、今年は東京都新宿区が渋谷区に続き条例で路上飲酒の規制に取り組む。公園や施設を閉鎖する市もある一方、イベントを開き人を集めるところもあり、規制と盛り上げのバランスに自治体も苦慮している。
渋谷区では例年、ハロウィーンに多くの人が集まり、痴漢などのトラブルも後を絶たなかった。そこで区が昨年、「渋谷に来ないで」と初めて呼び掛けたところ、最大約4万人が集まっていた渋谷駅前のスクランブル交差点の人出は4割ほどに激減した。
渋谷区の人出が減った一方、新宿区の歌舞伎町では昨年、約3000人が集まりごみも散乱。例年にない人の多さを受け、区は6月、期間中に歌舞伎町周辺での夜間の路上飲酒を禁止する条例を制定した。
主催者のいないハロウィーンは自然発生的に人が集まり、制御が難しい。自治体も対策に悩む。
福岡市・天神地区の繁華街にある警固公園では2000年、仮装した若者ら約6000人が集まり、全裸になった男が逮捕された。事件を受け市はここ数年、期間中は公園を夜間閉鎖している。市の担当者は「一度人が集まると排除できない。人がとどまらないよう警察と連携している」と理解を求める。
名古屋市中心部の繁華街に立つ複合施設「オアシス21」の広場には、10年以上前から仮装した若者が集まってきた。店舗破損などの問題も増えたため、市は20年から施設への入場を制限。今年も施設の一部を閉鎖し、31日には地下店舗を終日休業する。
仙台市では期間中、仙台駅西口の歩行者用デッキや近くの商店街の一角に人が集まっていた。さらに22年には少年らがロケット花火を打ち上げてトラブルになったため、市は23年から駅西口のベンチを座れなくするなどの対策を取る。
一方、東京都豊島区は毎年、期間中にコスプレイベントを池袋で開催。コスプレのまま街を歩け、協力店なら入ることもできる。11年目の今年は26、27の両日行い、過去最多の約16万人が参加。区の担当者は「参加者はコスプレ文化を大事にしていてトラブルはない」と話している。