1カ月分の雨が一日に降り注いだ…スペイン、大雨で死者63人に増加
スペインに1日で1カ月分の大雨が降り、少なくとも63人が死亡するなど被害が続出した。
30日(現地時間)、ロイター通信などによると、バレンシア救助当局は死亡者を51人と発表したが、この日午前11時30分ごろ63人に修正した。現在、被害地域で救助活動が行われているため、死亡者はさらに増える可能性が高い。
スペイン南東部地域には前日の1日間、1カ月分の雨が降った。バレンシア東部の一部地域では、4時間にわたって320ミリを超える大雨が降ったとCNNは報じた。特に、アンダルシア地域では10月の1カ月間、降る雨の4倍にもなる量が1日で降った。
大雨で地域のいたる所で浸水被害と列車脱線など事故が相次いだ。アンダルシアでは、276人の乗客を乗せた高速列車が脱線した。マドリードとバレンシア間の高速列車は同日午前10時まで運行が見送られた。
スペインの空港運営会社であるアンナはバレンシア空港に着陸予定だった航空便12便が他の空港に迂回し、この空港出発・到着の10航空便は取り消しになったと明らかにした。
バレンシア近くのあるショッピングセンターには600人が閉じ込められていたが、現在順番に救助されている。
バレンシア市はすべての学校に休校令を下し、スポーツ行事を取り消し、公園を閉鎖した。
今回の大雨はスペイン南東部を横切る寒冷前線で突然気温が下がったことによるものと分析される。
スペイン気象庁は同日現在、雨は止んでいるが、31日までさらに雨が降ると予報した。
当局は、被害地域の住民たちに家に滞在し、必須ではない旅行は避けるよう勧告した。
スペインのペドロ・サンチェス首相はテレビ演説で「スペイン全体が行方不明者家族の苦痛を分かち合っている」として「最優先課題は皆さんを助けることで、私たちはこの悲劇から回復できるように必要なすべての資源を投入している」と述べた。サンチェス首相は、「今後も大雨が続くだろう」とし、住民に警戒を緩めないよう呼びかけた。