6回、山川を中飛に仕留め、雄たけびを上げるケイ(撮影・伊藤笙子)

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 「SMBC日本シリーズ2024、ソフトバンク0−5DeNA」(30日、みずほペイペイドーム)

 球団史に名を刻んだ。DeNA先発のアンソニー・ケイ投手(29)が7回4安打無失点で、球団助っ人初の日本シリーズ白星。「大事な試合で自分のピッチングをすることができた。相手は左打者を多く並べる作戦だったが、気迫で負けない姿を見せることができた」。パ王者の強力打線を完全に封じ込めた。

 圧倒的な投球だった。初回から3者連続空振り三振。二回も先頭の山川を3球三振に仕留め、4者連続とした。スライダーを軸に3回まで6奪三振で完全投球。完璧な立ち上がりを見せ「序盤は自分の課題だったが、うまく波に乗ることができた」とうなずいた。

 第3戦で好投した東へは「昨日の彼の素晴らしい投球についてお祝いの言葉を送った」と笑い、試合後にはお返しに祝福の言葉をもらった。シーズン中から切磋琢磨(せっさたくま)してきた両左腕で、逆転日本一への可能性を切り開いた。

 「ハマスタに戻ってプレーできることを楽しみにしています」。最警戒していた山川を無安打に封じ、仕事をさせなかったことが勝因。三浦監督も「抜群に良かった。最高の投球をしてくれた」とたたえた左腕が大きな1勝を呼び込んだ。

 ◆球団助っ人初の日本S星 前身を含めてDeNAの助っ人投手が日本シリーズで白星をマークしたのはこの日のケイが初。日本シリーズでの球団歴代勝利投手は、1960年が秋山登=2勝、権藤正利&島田源太郎=1勝。98年が斎藤隆=2勝、阿波野秀幸&野村弘樹=1勝。17年が砂田毅樹&浜口遥大=1勝。今回は第3戦で東克樹が白星。また、日本シリーズの球団助っ人本塁打は、この日のオースティンが3人目。過去2人は98年第5戦・ローズと17年第3戦・ロペス。