日本自動車会議所は30日、2025年度の税制改正に関する要望書を発表した。

 ガソリンを使用しない電気自動車(EV)などの普及を見据え、排気量を基にした課税項目をなくし、車両の重量をベースにした税制への抜本的な転換を求めた。今後、26年度の導入を目指して政府・与党と議論を深めたい考えだ。

 同会議所は、トヨタ自動車やホンダといった国内大手で構成する日本自動車工業会に加え、石油連盟なども参加。業界の要望を取りまとめて与党などに伝える役割を担う。

 車の保有時にかかる税は、排気量に応じて毎年納める自動車税と、車検時に車両の重さなどに応じて支払う自動車重量税がある。要望では、二つの税を重さを基準にした新たな税目に一本化するよう要求。その上で、環境性能に応じて税額を増減させる仕組みとする。

 EVや燃料電池車(FCV)の増加が見込まれるなか、排気量をベースにした税制では公平な対応が難しくなるためだ。

 購入時に燃費に応じて課税する「環境性能割」の廃止も求める。ただ、廃止は税収減につながるため、財政当局からの異論も予想される。

 税制改正は通常、11月から与党が本格的な議論を開始して12月に税制改正大綱を取りまとめ、年内に閣議決定を行う。しかし、衆院選で自民、公明の与党が過半数割れしたことで野党の協力が必要となり、調整が難航する可能性がある。