高圧送電線の奥に沈む太陽(9月23日、米ロサンゼルスで)=AP

写真拡大

 【ワシントン=田中宏幸】米商務省が30日発表した2024年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)速報値(季節調整済み)は、年率換算で前期比2・8%増だった。

 4〜6月期(3・0%増、確定値)から伸びが減速し、市場予想(3・0%増)も下回った。プラス成長は10四半期連続。

 GDPの約7割を占める個人消費は3・7%増と前期(2・8%増)から大きく伸びが拡大した。保有株式や住宅価格の上昇に伴う資産効果で家計が大幅に改善し、貯蓄率も上昇した。

 設備投資は3・3%増と前期(3・9%増)から伸びが縮小したものの、12期連続のプラスとなった。設備や情報関連機器の投資が好調だった。住宅投資は、住宅ローン金利の高止まりを受けて住宅着工件数が回復せず、5・1%減と2期連続でマイナスとなった。

 米国では10月に入って経済の強さを示す雇用や物価の指標の発表が相次いでおり、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が11月の会合で利下げ幅を通常の0・25%にとどめるとの見方が強まっている。