米が60日間のレバノン停戦案と関係筋、イスラエルは攻撃継続
Timour Azhari Maya Gebeily James Mackenzie
[ベイルート/エルサレム 29日 ロイター] - 複数の関係筋によると、米政府はイスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘終結を目指し、60日間の停戦に向け仲介に動いている。ただ、イスラエル軍は30日も多くの避難民が身を寄せているレバノン東部のバールベックを空爆するなど、戦闘は続いている。
米当局者によると、アモス・ホクスタイン特使と大統領顧問のブレット・マガーク氏が31日にイスラエルを訪問し、パレスチナ自治区ガザのほか、レバノンやイランを含む広範な地域問題について協議する。
停戦期間中に、レバノン南部でレバノン国軍以外の兵力を認めないとする2006年の「国連安保理決議1701号」の完全履行を目指す計画。
この問題に取り組んでいるホクスタイン特使は今月、ベイルートで記者団に対し、イスラエルもレバノンも決議を完全に履行していないため、より良い執行メカニズムが必要だと発言していた。
60日間の停戦案は米国などが先月提案した21日間の停戦案に代わるもの。
関係筋は、仲介が失敗に終わる可能性が残されているとし「真剣に停戦を働きかけているが、まだ実現は難しい」と述べた。
イスラエルは、ヒズボラが休戦に違反した場合に、空爆などの軍事作戦を通じて休戦を「直接強制する」権限を求めているという。
レバノン当局者は、停戦案の説明を正式に受けておらず、コメントできないと述べた。
イスラエルは30日もレバノンでの作戦を継続、他地域から逃れてきた人々を含め多くのレバノン人が住む東部のバールベックに初めて避難命令を出した。
治安当局によると、イスラエル軍はその後、バールベックとその周辺の村落に対する激しい空爆を実施した。空爆開始の約4時間前に避難命令が出されたことで数千人が避難し、現時点で犠牲者は報告されていない。
一方ヒズボラは3日連続で南部の町キアム付近でイスラエル軍との激しい戦闘があったと報告した。