愛犬にベタベタしすぎてはいけない? 考えられる悪影響から適切な距離感まで解説
愛犬にベタベタしすぎると考えられる悪影響
飼い主とベタベタすることが大好きな犬もいますが、やはり限度があるようです。
あまりにもベタベタしすぎると、愛犬の心身に悪影響を及ぼすことがあります。
そこで今回は、そのような場合に考えられる愛犬への悪影響について解説します。今一度、どのような接し方が良いのか考えてみましょう。
愛犬が睡眠不足になる
愛犬にベタベタしすぎると、睡眠不足になることがあります。
犬の平均睡眠時間は12時間です。寝ようとケージやベッドに入る愛犬を追いかけてまでベタベタとスキンシップをしようとすると、体を休めることができなくなってしまいます。
犬がケージやベッドなどの寝床に入るということは、体を休めようとしているということです。
たとえ愛犬とベタベタしたいと思っても我慢し、愛犬がまた起きてきたときにスキンシップをするようにしましょう。
愛犬の疲れが溜まる
愛犬にベタベタしすぎると、愛犬に疲れが溜まることがあります。
睡眠不足になることが、疲れが取れずに溜まる原因のひとつでもありますが、ベタベタされることによるストレスや心の疲れが溜まることも悪影響のひとつです。
愛犬に、動物病院で診てもらっても原因の分からない体調不良や症状はありませんか。疲れやストレスは目に見えないものです。「ベタベタしすぎです」と診断されることはないため、気づけないでいることがあります。
愛犬が食欲不振になる
愛犬にベタベタしすぎると、食欲不振になることがあります。
睡眠不足や溜まった疲れ、続く飼い主によるベタベタしすぎが愛犬の食欲を奪ってしまうのです。栄養がしっかり摂れず、長引くと体重の急激な減少も見られることがあります。
食欲不振だからといって、おやつで対応してしまうと、逆に肥満になってしまうこともあるでしょう。
愛犬がごはんを食べようとしているときは、放っておいてあげましょう。構われることがストレスになったり、食欲不振にさせてしまう原因になったりすることがあります。
食欲が回復するまでは、「いっぱい食べてね」「ちゃんと食べてえらいね」などの声かけもしない方がいいでしょう。
構われないときに不安感が強くなる
愛犬にベタベタしすぎると、構われないときに不安感が強くなることがあります。
不安になると、甘えたり吠えたりします。不安感が強くなり、その気持ちを上手く表現することができないとき、自分の手足やしっぽを噛むなどの自傷行為をする犬もいます。
お留守番中、飼い主を探して家の中を歩き回り続けたり、近所迷惑になるほど吠え続けたりすることもあります。分離不安症という心の病気になってしまうこともあるでしょう。
愛犬と飼い主の適切な距離感とは
では、上記のような悪影響を与えないで済む、愛犬と飼い主の適切な距離感とは、一体どのようなものなのでしょうか。
「構って♡」と言われたときに構う
(どれくらいの距離感がベタベタしすぎになるのか分からない…)(どれくらい構うと「構いすぎ」になるのかが分からない…)というときは、愛犬からの「構って♡」のサインをしっかり受け取るようにしましょう。
犬は、遊んでほしいときはおもちゃを持ってきたり、抱っこしてほしいときは手でちょんちょんと合図したりしますよね。
冒頭でも言った通り、ケージやベッドに入っているときは放っておくタイミングです。
お散歩や遊びの時間を大切にする
お散歩は、愛犬が飼い主を独り占めすることができる時間です。遊びを通してスキンシップやコミュニケーションをすることができます。
どんなに仕事が忙しくても、帰宅が遅くなっても、長時間のお留守番をする日も、お散歩や遊びの時間を大切に過ごすようにしましょう。愛犬との距離感をグッと縮めてもよい時間です。
まとめ
今回は、愛犬にベタベタしすぎると考えられる悪影響を解説しました。
睡眠不足になる 疲れが溜まる 食欲不振になる 構われないときに不安感が強くなるベタベタしすぎないこと、程よい距離感を保ち続けることで、愛犬と飼い主のよりよい関係性を築くことができます。
ある程度の距離感があった方が、「もっと近づきたい」「もっと仲良くなりたい」「もっと信頼を得たい」と感じられるのではないでしょうか。
(獣医師監修:寺脇寛子)