DeNAが逆襲の1勝 博多で復活!東7回1失点鷹狩り「足がちぎれてもいいぐらいのつもりで」仲間へ恩返しの力投
「SMBC日本シリーズ2024、ソフトバンク1−4DeNA」(29日、みずほペイペイドーム)
SMBC日本シリーズ2024は29日、みずほペイペイドームに舞台を移して第3戦が行われ、DeNAがソフトバンクを4−1で破って初勝利を挙げ、対戦成績を1勝2敗とした。ソフトバンクが2018年第3戦から続けていたシリーズ連勝記録は14で止まった。DeNAは左脚のけがから復帰した先発・東克樹投手(28)が7回10安打1失点で白星。1−1の五回に桑原のソロ本塁打と筒香の犠飛で2点を勝ち越し、八回に戸柱の二塁打で追加点を挙げた。
エースとしての意地だ。日本シリーズ連敗で乗り込んだ敵地で流れを変える7回1失点、105球の快投を見せる。東がマウンド上で示したのは「恩返し」だった。「本当に足がちぎれてもいいぐらいのつもりでマウンドに上がりました」。回復度は完全ではない。投げられる喜び、仲間への感謝の思いが原動力だ。
強打のソフトバンク打線に真っ向勝負を挑んだ。1点の援護をもらった直後に、すぐさま同点とされた。それでも今宮を空振り三振に斬って取ると、リズムに乗った。二回以降は味方の好守にも助けられながら力投。六回には1死一、二塁のピンチをしのぎ、無四球で最後まで攻め続けると、2度拳を強く握った。
全力プレーの代償は大きかった。CSファーストSの初戦を任されたが、四回の打席で左前打を放った際に左太もも裏の肉離れで離脱。「やる、やれることはやる」。言い聞かせるように、負傷の夜には早速治療を開始。ファイナルSも全試合を球場で見守り、一緒に最後まで戦った。また同僚・筒香の紹介を受けて早朝から横浜市内の治療院の扉を叩くなど、可能性を探り続けて向かったマウンドでもある。
大崩れはしない。決して一人では立てなかった舞台だ。「(敵地は)去年オープン戦で抑えてローテをつかみ取ったマウンドだったので、特別な1勝になったと思います」。左足には今も、テーピングが巻かれている。手負いのエースが逆転日本一へ、力強く道筋を立てた。
◆3戦終え●●○ この星取りからの日本一は過去18度中、6度。本拠地連敗からの日本一は5度(80年広島、00年巨人、11年ソフトバンクが●●○。58年西鉄、89年巨人は●●●から逆転)。