戦略核演習を開始=ウクライナ支援の米国けん制―ロシア
ロシア大統領府は29日、プーチン大統領の指揮の下で戦略核戦力の演習を開始したと発表した。
2022年10月と23年10月にも実施しており、ウクライナ侵攻開始後は3年連続となる。同国のゼレンスキー政権を支援する米国などを核兵器でけん制した格好だ。
オンラインで演習に参加したプーチン氏は「核の使用は、国家の安全を確保するための例外的かつ極限の措置だ」との立場を表明。ただ、演習では巡航・弾道ミサイルを実射し、陸海空による「核のトライアド(3本柱)」を誇示してみせた。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は29日、ゼレンスキー大統領が今月発表した「戦勝計画」の非公開部分に、米国製巡航ミサイル「トマホーク」の供給要請が含まれると伝えた。米側は難色を示したとされるが、ロシアはこうした動きも警戒しているとみられる。
プーチン氏は9月、核兵器の使用条件を示した核ドクトリン(核抑止力の国家政策指針)の改定方針を表明。ウクライナの後ろ盾の西側諸国も核攻撃の対象になることを示唆した。